神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

『子連れ狼 親の心子の心』

 CSの劇場版『子連れ狼』シリーズもいよいよ後半。今日は第4作『子連れ狼 親の心子の心』が放映されていた。
 
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 今回のターゲットは自らの汚名と怨念を雪ぐべく、尾張藩を脱藩した雪という手練れの娘。その彼女、腕を見込まれて、尾張藩の“上様”の女護衛に任命されたという過去を持つ、まさに“アクションヒロイン”だったりするのだが、自分を暴行した敵・狐塚円記(岸田森!)を、“女の武器”を最大限に活かして見事討ち取るなど、なかなかの活躍ぶりだった。もっとも、彼女の暗殺を請け負った拝一刀と対峙すると、もう「こりゃ勝ち目ないな」という雰囲気がすぐに立ちこめ、彼女の哀しい過去や理不尽な暗殺の依頼などを飛び越えて、ビジネスライクに徹した拝一刀に一矢報いることなく、あえなく最期を迎えてしまう。しかしながら、『死に風に向かう乳母車』の加藤剛の時と同様、死に行く者には情けが熱い“富三郎”一刀によって、きちんと荼毘に付された。
 
 さて、ここまではいつもの“破壊王”拝一刀なのだが、クライマックスの裏柳生軍団との死闘のシーンはいささかいただけなかった。というのも、この戦いで拝一刀は敵を辛くも蹴散らすものの、自らも深手を負ってしまうのである。これじゃ数多の時代劇と変わらないじゃないか、って思ったね
 
 “富三郎版”『子連れ狼』の一番の魅力は、度を超えた拝一刀の超人ぶりに尽きる。どんなに圧倒的不利な展開でも、涼しい顔のまま、あり得ないパワーで並みいる敵をバッサバッサと切り捨てるのが『子連れ狼』の魅力ではなかったのか。特に前作『死に風に向かう乳母車』のクライマックスは、まさにそのノリが“マックス”だったのに……そう思うと、手負いの拝一刀なんてみたくなかったなぁ…… もしかしたら、監督が前3作の三隅研次から齋藤武市に代わったからなのかなぁ……?
 
 残りの『子連れ狼』は後2作。第5作の『冥府魔道』は再び三隅研次に監督が戻ってるから、少し期待してみようかな