神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

我が映画制作の手順

 私が映画を制作する場合、まず最初におぼろげながら、どんな出来事が起こってどんな結末を迎えるか、から考える。変な話だが、「結末ありき」の物語設定だ。だが、それに引き続いて物語(あらすじ)に入る前に、キャラクター設定をする。
 
 だいたい主人公に原稿用紙3枚程度、その他のキャラは1.5~2枚程度を費やして書き留める。とばいっても、性格や仕草の特徴だけだけでは半枚もいかないから、登場人物の生い立ち、境遇などを書き加えていく。その過程で『天使諜報★神宮寺真琴』ならば「天涯孤独の身の上ゆえ“なりすましの技”に長けている」とか、『特命探偵☆葛城アキ』ならば、「福島の高校を卒業して海自に入隊し、女性に門戸を開放した護衛艦『ひゅうが』への配置を目指した」とかいう設定が付け加えられていく。もっとも、その多くはドラマには直接関係のないことも含まれるが、そうやって、作者である私自身が、映画のキャラと“知り合っていく”過程として、とても大切だ。
 
 キャラ設定の過程で、当初予定した物語にこじつけた設定や、実際にイメージするシーンなども書き加えていくが、逆にキャラ設定によって、ストーリー自体が変化していくこともしばしばある。それは自分の頭の中で“命”を吹き込まれた登場人物が「そんなことあたしはしないよ」「そんなとき。あたしはこうするよ」と自己主張を始めるからである。それによって企画の根幹が覆されたことも何度かあったが、たいていの場合、そちらの方が功を奏することが多い。
 
 そこまで行けば、物語(あらすじ)はすぐに出来そうなものだが、ここでまたしても、私と登場人物の“せめぎ合い”が起こってしまう。“登場人物の意向”でドラマがあらぬ方向に向かってしまうこともあれば、ストーリーに合わせてキャラ設定を書き直したりすることもある。そうやって、ひとりぼっちの作業ながら、架空の多くのブレーンにダメ出しされつつ、企画書は完成する。だいたい、そこら辺りからスタッフキャストの人選がスタートしたりする。
 
 そういう意味では、企画の段階で、マスメディアにプレゼンするだけの準備は済んでいるのだが、如何せん私自身に全くと言っていいほどPR能力がないので、結局人知れず上映、それでも好んで見てくれる方々だけ来場、という、いつもの封切りになってしまう。我ながら情けなく反省することしきりだ。まずは“はったり”が必要なんだけどね……
 
 でも、「観客に楽しんでいただく」という基本精神は決してぶれていないので、今後とも頑張って行きたいと思う。「バカ映画の夕べ」が”復活するまで、おそらく「笑いの要素がある」広島のインディーズムービーを提供できるはウチだけだと思うんでね