神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

スペースヒロインは「悪の華」

  かつて、深作欣二監督が1977年に東映SF大作『宇宙からのメッセージ』を撮った際、「自身初めて演出する“SF映画”」とう触れ込みだったが、実際にはそれを遡ること9年前の1968年に、日米合作“宇宙SF映画”の監督を務めていたのである(田口勝彦氏と共同監督)。それが『ガンマー第3号 宇宙大作戦』だ。
 
イメージ 1
 
 この映画は、封切り時ではなく、後にテレビで観賞したわけだが、「特撮(セット・ミニチュア含む)は日本ながら、キャストが全員外国人(台詞はおーる吹き替え)」という演出は、子供の目にも不思議に思えたものだった。物語は、惑星破壊に駆り出された宇宙ステーション“ガンマー3号”が、その任務は無事終えたものの、その際に付着した宇宙生命体がステーション内で怪物化し、しかも大量発生したために、内部は大パニック。結局ステーションそのものを破壊する決死の作戦で怪物殲滅を試みる……そんな話だった。メンバーが惑星破壊に向かう宇宙船のかっこよさ(後にプラモデル化された)や、怪物に襲われた後の隊員のグロテスクさなど、いろんな思い出が残っている作品だが、何とも“男臭い”映画だった、との印象が強く残っている。観たのはその一回きりなんで、細かいことはもう忘れてしまったが……
 
イメージ 2
 
イメージ 3
 
 ところで、そんな“男臭い”イメージの作品ながら、その画像を探すと、決まってこのポスターデザインに突き当たる。何故か宇宙服の女性がメインのデザインだ。
 
イメージ 4
 
 まあ、古典的ながらシルバーのキャットスーツの如き宇宙服に身を包んだこのヒロインは、それなりに魅力的だったりするが、今回いろいろ調べてみて、男性キャスト一辺倒だと思っていたこの『ガンマー3号 宇宙大作戦』にも、きちんとヒロインが登場していたことを知った。それはルイズ・ベンスン女医を務めたルチアナ・パルッツィという女優。確かにかの宇宙生命体との“絡み”もあるみたいだし、疑う余地もないだろう
 
イメージ 5
 
 ちなみに、どこかで観た覚えがある名と思って、さらに検索してみると、何と彼女は本作を遡ること3年前の、あの『007 サンダーボール作戦』で、魅力的なスペクターの女幹部フィオナを演じたその人であった! あの黒革のライダースーツ(キャットスーツ?)を着こなし、颯爽とオートバイで風を切る、あの素敵なヒロインを演じていたとは! しかもそのキャリアをして、極東の宇宙SFでヒロイン役で登場していたとは……なんか嬉しくなる話である
 
イメージ 6