怪優 ネヴィル・ブランド!
最近、この「神宮寺真琴のつぶやき」のファンとなってくださっている方のブログを拝見したところ、『マッドボンバー』に関する記述があった。確か中学時代、水野晴夫時代の「水曜ロードショー」で見た記憶がある、かなりヘビーな映画だったことを覚えている。もっとも、今そのタイトルに触れると、ある種の“郷愁”も感じたけど……
作品は、タイトルがまさに全てを物語っているように、チャック・コナーズ演じる“生真面目な”爆破魔が、亡き娘の復讐と共に、社会の諸悪に度を過ぎた制裁(爆殺)を加える、という凄まじい作品だが、その劇中、主人公の爆破魔と対極を成す形で登場する、卑劣な暴行魔を演じていたのがネヴィル・ブランドである。
粘着テープを巧みに使い、次々と犠牲者を増やしていく暴行魔ことネヴィルは、その犯行時に爆破魔の姿を目撃したことから、逮捕後それをネタに司法取引の末釈放。ただそうは問屋が卸さないとばかりに、妻のブルーフィルムに興じている時に、爆破魔チャックによって哀れ自宅もろとも爆殺される、余りにも悲惨の最期を遂げてしまうのである。
その悪辣な所行と共に、一度見たら忘れられないような独特の容姿も相まって、劇中明らかに主役のチャックを喰う活躍ぶりだったことが、おぼろげながら記憶に残っている。
さて、件のネヴィル・ブランド御大だが、本作以外でも卑劣な悪漢を演じることが多く、トビー・フーパー先生の『悪魔の沼』では、人を殺しては池で飼っているワニの餌にしてしまうとんでもないモーテル経営者を嬉嬉として演じていた。同じくフーパー映画の金字塔『悪魔のいけにえ』で“ファイナル・ガール”を務めたマリリン・バーンスを拉致監禁し、無抵抗の彼女に向かって自分の過酷だった人生を怨みがましく切々と語るシーンは実に印象的だった。
ただ、かつて存在したNET系の「土曜洋画劇場」で公開された衝撃のTVムービー『殺人ブルドーザー』(原題『KILLDOZER』)では、宇宙からの未知の隕石によって“殺人マシーン”と化したブルドーザーと戦うメカニック担当の作業員として、“正義の味方”:を演じたこともあるし、時にはかの“アル・カポネ”役を務めたこともあるらしい。
あれ、今回はなんか“ヒロインアクション”ならぬ“ヒロインの敵”ブログになっちゃったな