神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

映画とは「直球ど真ん中」!

 つい先日、3年越しの大きな“イベント”が終了した。昨年より突発的に起こった数多の困難も現在ではなんとか小康状態を保っている。それでここ数日なんだか身体が軽くなったような気がして、今なら多少のしんどさも克服できるような気がしてきた。
 
 そうなってくると、2012年3月31日クイランクアップの『特命探偵☆葛城アキ』以来ご無沙汰になっていた映画制作を、との機運が高まったが、そんなときに限って家族の顔色をうかがわなければならないような事態に陥ったり、ネット上でいろんな批判を目にしてまた落ち込んだりと……「葛城アキ」の時にはいろんな“そぞろ神”が忙しい私を強引に映画制作に誘おうとしたものだが、今度は“逆そぞろ神”が身の回りに出てきて「映画を撮るな~撮るな~」といじめているような気がする。勿論、そんなときこそ、意地になって映画を撮ろうとするんだけどね
 
 さて、職業でなく趣味の一環で映画を撮る、俗に言う「インディーズ」の監督は、いったい何のために映画を撮るのだろうか……? これが私の場合、やはり“自分の撮りたい映画があるから撮る”というのにつきる。時には、エドウッドのように「監督であり続ける」ことが自分の究極の目的のように思うこともあるが、それよりも「こんな映画を私は観たい」とか「あんな映画を私の手で撮りたい」、そんな感情が今日まで計19本の監督作品を世に送り出す原動力に張ってきたと思う。
 
 よく“王道”と称されるが、私が思うに「ど真ん中の直球」こそ、映画制作の基本である。確かに“予定調和”“シナリオが練られていない”などの指摘も受けるが、そんな展開に思いを馳せる人も多いと思う。
 
 ・なぜ「神宮寺真琴」や「葛城アキ」はクライマックスの現場に駆けつけることが出来るのか?
 ・なぜ「神宮寺真琴」が服を脱ぎ捨てると、それよりも大きな戦闘コスチュームが出てくるのか
 ・何故犯人は白々しいくらい観客に判ってしまうのか
 
 などなど。でもそれも大いに“アリ”だと思っている。知らしあり得ないくせにしらじらしく、それでいてご都合主義に満ちたかの「水戸黄門」でさえ、未だ多くの支持者・ファンによって支えられている、という事実。これこそ「ど真ん中の直球を強打者に投げる」ようなドラマである。当然打者は気持ちよくフルスイングしてスタンドインするだろう。でも件の投手は思う、「俺は一世一代のど真ん中ストライクを投じたのだ」と。勿論投手が私で強打者は監督、っていう比喩なんだけど……
 
 かつて家族でバスツアー旅行をした時のこと。時間を持て余した添乗員がビデオで流した映画が、三宅裕司主演の『サラリーマン専科』。下手な松竹人情喜劇だ。こんなもの流したらみんな寝てしまう……「映画はエンドロールまで観る」がモットーの私としては、これからの車内の展開を考えると、映画ファンとしていたたまれない思いだった。
 
 しかし、実際に映画が流れ出すと、車内の大半を占めた中高年の乗客は、それまでの私語をやめて、一心に画面に釘付けになってしまった。挙げ句は「もっとボリュームを上げて!」と言い出す始末。これには驚いたと共に、何が「映画という娯楽は何たるか」を知らされた瞬間だった。それがきっかけで、早速2003年に『AGAPE』という、難病モノのベタなラブストーリーを撮った(公開は2006年)。今思うと“韓流ドラマ”みたいな作品だったけど………
 
 私も、別にこのやり方がベストだと、他者に強要するつもりはない。映画作りって千差万別なのだから。観客動員や賞の獲得など気にすればキリがないけど、こんな私の撮る映画でも、全く接点のない人から評価いただくこともあるし、DVD購入希望のメールをいただくことも多い。何よりも、大学4年次に初監督作品を撮って以来、今日までずっとコンスタントに映画を撮ることが出来たのは、きっと映画への情熱を失わなかったからに相違ないと思っている。何せ他の方と違い、私には本当に“映画しかない”んでね
 
 来る8日の「ひろしま映像ショーケース」上映で、また新たな“広島発ヒロインアクションムービー”ファンが誕生することを祈念して止まない。きっと誕生すると思う。だって『特命探偵☆葛城アキ』はホントに面白いもの!
 
ひろしま映像ショーケース(関係分)

日時 2014年3月8日(土)15:00〜
会場 広島市映像文化ライブラリー(730-0011 広島市中区基町3-1 TEL082-223-3525)
入場無料

〈イチヱンポッポフィルム(IPF)〉
 『特命探偵☆葛城アキ~郷土の怒りをぶちまけろ~』(35分)
  ※上映後に近日封切のIPF最新作『ビターズエンドpart1』『台車ガール』予告編を公開予定
 
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