神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

梶芽衣子の『修羅雪姫』に思う

 いつもお世話になっているCSのチャンネルNECO。先日は梶芽衣子主演の“ヒロインアクション”修羅雪姫を放映していた。
 
 “ヒロインアクション”的見地(!)から梶芽衣子を考えた時、思い当たるのは何といっても『女囚さそり』シリーズ。しかしながら、残念なとこに私は未だ梶版『さそり』を拝見したことがない。唯一観たのが地上波で放映された夏樹陽子版の『新女囚さそり 特殊房X』だけだが、想像していた通りの陰惨さもさることながら、「邪な権力に翻弄される」という私が最も忌み嫌うテーマ・描写が多かったことも相まって、その後「もう『さそり』は結構」という気持ちに駆られて、結局、梶版の方も、どうも食指が動かなかったというのが事実だ。
 
 その『さそり』シリーズのノリを引きずっていると思っていた修羅雪姫も、真剣に観るつもりはなかったが、たまたまその日に何となく観ている内に、どんどんぐいぐい物語世界に引きずり込まれていった。
 
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 ストーリーは、殺された家族の復讐のため、犯人一味を殺す決意をした女が、志半ばで逮捕され終身刑を言い渡されるところから始まる。もう自分の手で復讐を遂げる機会を奪われた彼女は、所内の男たちをたぶらかしつつ、子供を身籠もり、その子に復讐の続きを行うよう画策する。そうやって“復讐”のため世に生を受けた娘は“”と名付けられ、出産直後死んでしまった母に代わって彼女を引き取り出所した仲間の兄から猛烈な特訓を受け、やがて復讐鬼として母の、その家族の怨みを晴らして回る、といったストーリーだ。
 
 これだけ書くと、何とも陰惨な話だと眉をひそめてしまいそうだが、実際にはとてもテンポ良く力強く、非常に面白い展開になっていたに幼少時代から過酷な特訓を強いる“教官役”西村晃というのも痛快だし、悪役にはカノッサの屈辱仲谷昇がいるのも嬉しい。特訓シーンのムチャぶりも陰惨さを通り越してギャグ的であったり、健気に特訓に挑む子役の雪は実にいじらしい(笑) 残念ながら都合により、の最初の復讐のシーンの直前で泣く泣くテレビを消す羽目になったが、ここまでの場面を観るだけで、十分豊かな気持ちになれた。
 
 それはそうと、どうしてここまでに、これらのシーンに心惹かれたのだろう……って考えているうちに、「このノリってモロキルビル2』じゃん!」と思うに至った。確かに修羅雪姫タランティーノキルビルに多大な影響を与えた、とNECOのCFでしきりに紹介していたが、それならば、洋画であるキルビル』の残像が、修羅雪姫に惹かれた理由となってしまう。なんとも本末転倒だ(笑)
 
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