神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

ズベ公とピンキーバイオレンス

 斎藤由貴版『スケバン刑事より遡ること10数年前の70年代、スケバン(女番長)といえば“ズベ公”。同じ東映系列では、のちに“ピンキーバイオレンス”と称される、エロスとバイオレンスが綯い交ぜにされた過激な映画が量産されていた。
 
 その頃は、スケバンといえば池玲子であり、杉本美樹であり、大信田礼子であり………などの数多の女優陣が、それこそ監督の、会社の要求に応えるべく、およそ人権なんて無視されたようなハードな演技に文字通り“体当たり”で臨んでいたようだ。タイトルもズバリ、『恐怖女子高校』『女番長ブルース』『女番長(スケバン)』といった扇情的なシリーズが大挙して制作され、“アクション以上ピンク未満”のこれら作品群に、世の若者たち(勿論男)が殺到したであろうことは想像に難くない(笑)
 
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 この頃の“スケバン”はそのものずばりのキャラクターで、頭は茶髪か不自然なパーマ(たまにアフロあり)、セーラー服の裾をたくし上げ、寸胴のように長いスカートに、スカーフはあったりなかったり。必ずナイフ・剃刀といった武器を携行し、徒党を組んだり、時には一匹狼になったりしながら、女同士、時には男たちにも鋭い刃を突きつける。それでいて性に自由で奔放、ストイックな姿はラストまでとっておく、といった、まさに80年代スケバン刑事の主人公たちとは対極を成す、凄みのあるキャラクターばかりだった。
 
 勿論、それでも私個人としては、80年代スケバン刑事のノリの方が好きだ。それは何といって“アンバランス”の妙! だって、70年代のズベ公が啖呵を切っても、それは堂に入りすぎて逆に淡泊に感じてしまうもの(笑)
 
 ただ、当時の体当たりのバイオレンスには惹かれてしまう。その点では“スベ公”の方に軍配を上げざるを得ない。その点では『コードネーム=麻宮サキ松浦亜弥はよく頑張っていたと思う。なんといってもここまでやってくれているのだから(笑)
 
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 そう思うと、『コードネーム=麻宮サキ新時代に向かってスケバン刑事がより過激に進化していく、その可能性を示してくれた作品だったのかも知れない。