神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

動くベッド

 過日、DVDにて久しぶりに東宝特撮『宇宙大怪獣ドコラ』を観賞した。この作品、今まで小学時代のテレビ放映、学生時代の今は亡き「てあとる西新(博多)」での黄ばんだプリントでオールナイト公開、と2回しか観たことがなかった。そういうわけで、DVDとはいえ、おそらく今までで一番クリアな画像での観賞になったと思うが、流石“総天然色”の深みある映像は素晴らしく、内容に関しても以前から抱いていた“負のイメージ”はかなり払拭された。
 
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 本作は“宇宙大怪獣”と銘打った割には“ドゴラ”の活躍シーンは少ない、というのが世の不評の理由だったが、改めて観て、この映画は“犯罪アクション”におまけで怪獣が出ている、と思って観た方が十分楽しめるということを発見した。この作品は「監督 本多猪四郎」「特技監督 円谷英二」「音楽 伊福部昭」のゴールデントリオによって創られているが、本来ならば「監督 福田純」「音楽 佐藤勝」辺りで軽快に撮った方がよかったのでは、と思える内容だった。
 
 さて、本当は“神宮寺真琴”嬢こと藤山陽子が目当てで観直した作品だった(藤山嬢は真琴の頃と比べて実に垢抜けた感はあった)が、実際に観てみて、むしろ若林映子演じるギャング団の紅一点・浜子の方が数段魅力的だった。
 
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 劇中、警官をして「動くベッド」と言わしめる、官能の塊のような妖艶さ。そしてダイヤのため仲間を平気で裏切る悪女ぶりなど、まさに若林映子の独壇場! その姿を観るにつけ、もしルパン三世念力珍作戦』がもう10年早く撮られていたならば、峰不二子役は間違いなく江崎英子ではなく、彼女になっていたに違いない、なんて思ってしまった(笑)
 
 彼女の東宝怪獣特撮と云えば、他にキングコング対ゴジラの“チャンピオンまつり”版では殆どカットされた“たみ江”役や、『三大怪獣 地球最大の決戦』における“金星人”こと“サルノ王女”などが思い浮かぶが、やはり魅力の面では『ドコラ』の“浜子”には遠く及ばない。実は『宇宙大怪獣ドゴラ』こそ、若林映子若林映子による若林映子の映画”といっても過言ではない(笑)
 
 ちなみに、前出のキングコング対ゴジラでヒロイン共演した彼女と浜美枝がその5年後、『007は二度死ぬでメインのボンドガールを務めたが、きっと監督のルイス・ギルバート『キンゴジ』を観ているはずだ(と思いたい 笑)
 
 そういえば『宇宙大怪獣ドコラ』って、私が生まれて最初に封切られた東宝怪獣映画なんだよね(笑)