神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

スターヴァージン

  ここん所アメコミ系ヒロインづいていた、今回は意表を突いて『スターヴァージン』(笑)
 
 本作は80年代後半、丁度私が学生だった頃のVシネマ黎明期に制作されたSFヒロインアクション活劇だ。当時はまだ正式に“東映Vシネマ”が現れる前で、この種の「ビデオのみリリース」ドラマはSF(ファンタジー・サスペンス・スプラッター含む)の独壇場だった。「うばわれた心臓」「餓鬼魂」「キプロクス」「GUZOO」(そして一連の「ギニーピッグ」シリーズ)などの作品が多く市場に流通した、ある種ゆめのような時代だったが、そんな中で、潔いまでに「根明でエロス」を追求した異色作が、この「スターヴァージン」だった。
 
イメージ 1
 
 なんといっても、主人公・スターヴァージンを演じる黒木永子嬢の、このあられもないコスチュームに圧倒された私は、ストーリーがどんなモノであるかも知らないまま、上記のスチール(ジャケット)ほしさに、ビデオではなく安価であった音楽編CDを購入したほどだった。ただ、このBGM集が意外にも出色の出来で、BGMとして聴くのみならず、出来れば我が映像作品にも使いたいぐらい素晴らしい曲が目白押しだった(勿論、版権上使用することは叶わなかったが……)。中でも自ら異様なメイクで出演するささきいさお氏が熱唱する「NONSTOP DREAMER」は、同氏の名曲の一つ、「君の青春は輝いているか」(by「超人機メタルダー」)を彷彿させる名曲だ。
 
 そんなことで、先に曲の方でとても興味を持った『スターヴァージン』だったが、その後レンタルビデオで作品自体を観たところ、期待したほどの出来ではなかった。なぜか南方の島(奄美あたりか?)をロケにしたのも、「観光ついでか、主人公への気遣いか」と勘ぐってみたくなるくらいドラマ世界とミスマッチだったり、エロスとコミカルという、一番集合が難しいテーマを安易に追求してしまったような違和感は全編通じてぬぐえなかった。件の黒木嬢も「この衣装ならばもっと体をシェイブしろよ」と思いたくなるくらい、肉感を通り越した肢体だったし……)(スチールのスタイルと違っていたぞ!)。
 
 何かしら日本の特撮ヒロインに新たな一石を投じてくれそうな設定・キャラだっただけに、ちょっと残念な気がした。
 
 でも今思うと、このキャラって、やがて「古代少女ドグちゃん」に受け継がれたような気がしてならない(笑)