神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

“勧善懲悪”ヒロイン考

 “善”と“悪”との境界線が全くもって曖昧な現実社会において、“勧善懲悪”ほど胡散臭い言葉はない。
 
 ただ非現実世界である映画・ドラマの世界、殊に“ヒロインアクション”の世界においては、非現実的なほど“勧善懲悪”のドラマであることが望ましいと思っている。それは同時にヒロインの圧倒的強さも必要である。
 
 例えば、大好きな『スケバン刑事』でも、主に前半の一話完結シリーズが気に入っていた訳で、海槌三姉妹が登場する、主人公サキが追い込まれる後半のシリーズはあまり楽しくなかった(原作には忠実なんだけど……)。
 
 ヒロインが己の闘いに矛盾を感じてしまう展開や、相手に敗北する展開はどうも苦手だ。何故なら、この手の映画・ドラマに求めるのは、徹底的な“カタルシス”だからだ。
 
 故に“天使諜報・神宮寺真琴”は劇中圧倒的に強い。相手が弱すぎる、ということもあるが、毎回用意するピンチシーンも平均10秒程度、すぐに反撃するか、助けられて事なきを得る。
 
 世の中には、主人公のヒロインを徹底的に痛めつけることのみに腐心した“ヒロピン”なる特異なジャンルも存在すると聞くが、当方の撮る“ヒロインアクション”にはその要素も不要だ。
 
 こんな混沌とした世の中だからこそ、せめて自分が好きで撮る映画ぐらいは、カタルシスに満ちた“勧善懲悪”ものでありたいと考えている。勿論世の中の矛盾には厳しい(虚構ではなく現実世界での)視点を向けていくつもりではあるが……