“旧広島市民球場”でヒロインアクションを！
それに遡ること１０日前の１９日、私は対ドラゴンズ戦のナイターで、旧市民球場と決別していた。またその前７月２５日の対ベイズターズ戦でも……。その時、ライトスタンドに陣取って観戦しながらふと思ったことがある。
「もうこの目線（高さ）からこの風景を見ることもないんだ」という思い。
新市民球場の完成と共に、この旧市民球場が解体の憂き目に遭うのは、哀しいかな既成事実だ。そこで、広島の自主映画人として何とか、この旧市民球場の勇姿を自分の撮るドラマの中に映像として残せないだろうか、という思いを持つに至った。というか、旧市民球場でロケすれば、それが売りになる、という邪な思いがないわけでもなかったが……（苦笑）
そこでダメ元で広島フィルムコミッションの以前から知り合っていた方にロケの打診をしたところ、思いがけずその方も何とか旧市民球場を映像に残すべく奔走していた最中だったようで、逆に彼女の計画する「市民球場を映像で残そうプロジェクト」に参加することとなった。但し、その時は市民球場ロケが可能なのは１１月２２日の１日のみだったが。
ところで当時は、漠然と「何か旧市民球場で一部ロケできる新たな企画」を考えようとしていたが、試写会の席で、前作『天使諜報★神宮寺真琴』の主人公・真琴役とマネージャー・桂役の、「神宮寺シリーズ」に欠かせない両役者が、偶然にも１１月２２日にスケジュールが空いているという幸運もあって、急遽この市民球場ロケの企画は、新原案ではなく、『神宮寺真琴』の第２弾となることが正式に決定した。
尤もそこから市民球場ロケにふさわしい「神宮寺」の内容を考えねばならず、およそ２ヶ月間、七転八倒した結果、一応市民球場跡地の入札に関わる陰謀に天使諜報・真琴が挑む、というストーリーが完成、いよいよ２２日のクランクイン・市民球場ロケを向かえるに至った……（続く）
※写真はキャラクターが入る前のチラシ準備稿（台紙）
