神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

「スクリーンライブHiroshima8th」

 今年も、広島で活動している「Hiroshimaピープルズ」さん主催の映画イベント「スクリーンライブHiroshima8th」に参加してきました。家族と出かけた合間を縫っての参加だった故、最初から参加できなかったのが申し訳なかったのですが、それでも映画とライブ演奏をしっかり堪能してきました(^^)

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 今回も観賞した作品群について、順を追って紹介&感想を書かせてもらいます。

『貞代』
 タイトルのように、本作のモチーフは『リング』シリーズの「貞子」。勿論“お約束"の画面から飛び出してくる「貞子」ならぬ"貞代"のシーンはあるものの、その直後、オリジナルを凌駕するとんでもない展開が待っていた! 対峙する主人公と貞代。そこから何と、物語はホラーどころか何ともホノボノした物語に突き進んで行くのである。本作を観て改めて思ったのは、「貞子」だろうが“貞代”だろうか、実は女性であったということ。確か『リング0』では貞子役を今をときめく仲間由紀恵が演じていたことを考えると、さもありなんという展開。観てない方からすれば「一体何を書いてるんだ」って思われるかも知れないけど、まさにそうなのだ。観ていて嬉しかったな(;^_^A  疑問に思われた方は是非実際に御覧になって下さい。まだ機会はありますから(^^)

『願い』
 いきなりバイク事故直後、という衝撃的なシーンから始まる本作は、実はファンタジーの色濃いラブロマンス。しかも何とも切ない、切なすぎる物語である(個人的には好み(;^_^A)。僅か5分間の中に、主人公のそんな思いが全編つまっている内容だ。時間と空間が“曖昧”にブレンドされて交錯する構成には監督の感性を感じさせる。その一瞬のたわいのない言葉のやりとりが、主人公の少年にとって甘酸っぱく切ないが、掛け替えのない瞬間となって心に響いてくる。そんなことを感じてしまう、凝縮された物語だった。

『おじさんといっしょ』
 これは怪作! 冒頭から“ミニチュアワーク”を駆使した、破天荒なカーチェイスに始まって、狭い田舎道での“あるある”事件発生。しかしここから一気に往年の“新東宝・大蔵怪談映画”のテイストを色濃く感じさせるネチッこいショック描写が畳みかけるように主人公たちを襲う。ここではプロデューサー自らの身体を張った名演技が秀逸で、今日は夢に出てきそう(;^_^A 渦中の主人公たちの(特に男の)無軌道な性格が実にシュール。そんな中、加害者でもないのに一人ぼっちで恐怖に苛まれる無軌道男の彼女のリアクション演技も光っていた。やはり、「恐怖」と「笑い」とは紙一重、というか相性抜群であることを再認識させられた。

 ここで、次の上映作品『逃げる』に出演&主題歌を熱演・熱唱しているSACHIさんのミニライブが始まる。彼女は昨年観た『笑うパティシエ』でもラスト前に僅かの出演ながら実に印象的だった女優さんだが、今回はアクションも含めカッツリ出演。ライブも激しくノリのいい曲を披露してくれて、しかも歌唱中客席まで降りてくれてきめ細かい対応をしてくれるなど、実に盛り上げてくれたライブだった。私も握手してもらったよ(;^_^A(;^_^A

 そして後半の上映が開始された。

『逃げる』
 「広島自主映画界初の海外ロケ」を謳った、今回のメイン作品。既にそのビジュアルや予告編から上質のヒロインアクションムービーを期待しての観賞だった。とある研究施設で開発された「性格を持つAI」の争奪戦が、物語のメインテーマだが、そこにソードアクションや肉弾戦、更に強烈な「自分探し」と愛憎劇がクロスオーバーした、何とも欲張りな内容だった。兎に角、出てくるヒロイン役の女優が皆綺麗でかつ身体能力に長けていて、クライマックスの屋上におけるヒロイン(時間差)三つ巴のバトルは、まさに豪華の一言! 実際にもモデルや歌姫を務める彼女らが、指導の元、刀を構えて激しくつばぜり合いを演じるシーンには鳥肌が立ったね! また施設に潜入した手練れの敵を一気に殲滅するシーンでは、ソードアクションのみならず、バク転もさらりとやってのける華麗さで、ものの見事に蹂躙。飛び散る血糊のエフェクトまで丁寧に描かれていた。初の海外ロケである韓国でのシーンも、ハングルに日本語字幕という徹底ぶりで、広島では撮れない海外独特の“空気”が伝わってくるような映像だった。ラストの主人公の叫び(言葉)と行動には社会派の香りさえ感じさせられた。

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 上記のように今回は途中参加だったため、最初の「HIROXILE」のライブパフォーマンスや『貞代』の冒頭部分を見逃したのはとても残念だったが、イベントは実に上手くまとまっていて、まさに昨年からウチでも『広島発ヒロインアクションまつり』で始めた“飛び出す立体上映会”の様相を呈していたよ。もっとも、こちらの方が先に始められたことなんだけど……(;^_^A 参考になってます(;^_^A

 今回、山中監督の『逃げる』以外は、若手の監督さんの手による作品ばかり。ここら辺りの人材育成には心から頭が下がる。今や広島インデx-ズムービー界の中核を成すイベントだけに、今後とも是非続けてもらいたいと思ったし、私も負けてられないぞ、って新たな闘志を湧かせてくれる上映会でしたね(^^)