神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

これぞ“廿世紀プロレス”!

 先日観たテレ朝チャンネルの「ワールドプロレスリングクラシック」は」天龍源一郎特集。その最初の試合が、1993年の天龍・石川組対長州・藤波組の一戦だった。

 思えばその頃から深夜枠になっていた「ワールドプロレスリング」だったが、夜中にふと目覚めてテレビをつけたら、この試合ではなかったと思うけど、テレ朝の新日本のマットに天龍が立っている、という、つい少し前ならあり得ない光景を目の当たりにして、身震いしたことを覚えている。当時、天龍は一大決断して移籍したSWSが崩壊する中、自らで立ち上げたWAR(レッスルアンドロマンス)で新日本と交流戦を挑むことになっていた。それにしても、かつては「全日本の顔」だった天龍がセリビアンブルーのマット上に上がったこと自体、実にセンセーショナルだった。

 さて、件の「天龍・石川組対長州・藤波組」なんだけど、何とも“王道”な試合展開だった。双方の選手が惜しげもなく十八番の必殺技を繰り出すかと思えば、張り手、蹴りといった情念を剥きだしにした野獣のような攻めをする。天龍の逆水平・パワーボムに藤波の序盤からのドラゴンロケットに再三のドラゴンスリーパー、長州もしっかりタメを作ってのリキ・ラリアット、サソリ固めを炸裂させる4人の中では一番非力というか地味な石川だって負けてはいない。長州へサソリ、藤波にドラゴンスリーパーと、“掟破りの逆”技でしっかり存在感を見せつけ、且つ元力士のとしての対角線からのぶちかましを忘れない。あたかも皆が“大見得を切って”いるような格好良さにまず酔ってしまう。.

 この頃は試合に至るまでの“サイドストーリー”が実に充実していて(それは良くも悪くもプロレス雑誌・タブロイド紙の影響なんだけど)、それに則った情念のプロレスに何とも惹かれたものだった。たとえそれがアングルだとしても、WWEやハッスルのように素直に楽しめばいい。

 こんなゴツゴツしたプロレスこぞ「心の宿」だったのかもしれない。そう思う人が未だに多いからこそ、この手の「クラシック」番組がもてはやされるのだろう……