『人間の証明』と『探偵物語』のラストシーン
今日、CSで大好きな『人間の証明』が放映されていたので後半ながらじっくり観賞した。そこでかの有名なラストシーンである、ジョージ・ケネディ演じるケン・シュフタン刑事が、黒人男性に視察される場面を再見した際、ふとあることに思い当たった。
もしかしたらこれは、すでに誰もが語っていることなのかも知れないけど、この「ドラマ中盤で些細なトラブルを起こした相手に最後殺される」って展開は、本作の主人公・棟居刑事を演じた松田優作の代表作ドラマ『探偵物語』最終回のラストシーンに妙に被ってしまう。『探偵物語』:でも、中盤で工藤(松田優作)が因縁をふっかけたレジの店員が、ラスト何の脈絡もなく登場し、工藤を刺殺してしまう。それも同じく腹を刺されて……
そう考えると、『人間の証明』にインスパイアされた松田優作が、そのノリを自作のラストに引用したのかな? なんてうがった見方をしてしまうんだけど、そもそもラストで血まみれになって死んでいく、ってのは『太陽にほえろ』のジーパン刑事殉職シーンとも被るし、ジーパン同様工藤も、不自然な白装束でラストの死を迎える辺り、『太陽にほえろ』との親和性も深い。
もっとも、そんな憶測を百も承知で、敢えてあんなラストシーンを演出したのだって考える方が、松田優作らしくってイイのかもしれないな(;^_^A