“ヒロイン邦画本”クロスオーバー(;^_^A
「東映ゲリラ戦記」は“ゴラク邦画の神様”こと鈴木則文監督が、池玲子という逸材を発掘する辺りからスタートして、彼女のデビュー作のエピソードや彼女を売り込むための苦心惨憺ぶりや、彼女のリアル友人であり、映画界におけるライバルでも真魚八重子あった杉本美樹の台頭などを、『温泉みみず芸者』『先天性淫婦』『徳川セックス禁止令 色情大名』『エロ将軍と二十一人の愛妾』などの実に扇情的且つ懐かしいタイトルと共に時系列に描き、当時の東映がいかにバイタリティーに溢れていたかを彷彿させる、楽しさいっぱいの著書である。
一方、「戦う女たち」は邦画界におけるアクションヒロインの系譜を「化け猫映画」「女剣劇」『緋牡丹博徒』『女必殺拳』「女股旅」等々と体系立てて、様々な著者が考察する、いわば“列伝”のような構成になっている。その中のひとつに「気高き裸身の娘たちー東映ピンキーヴァイオレンス」(真魚八重子)という項があって、これが前出の「ゲリラ戦記」前半とクロスオーバーしていて、実に面白い。
これを交互に読んでいると、あたかも当時の東映ピンキーヴァイオレンスを“研究”しているかのような気分になれるし、インディーズながらヒロインアクションムービーを撮る身としては、非常に参考になる。そして、当時の東映の製作現場は“ヤクザな修羅場”だったろうと思いつつも、その世界に飛び込みたかった、なんて妄想に駆られてしまう(;^_^A
本当はこの2冊について書きたいことはいっぱいあるのだが、複数の本を読んで研究なんて、卒論以来やったこともないので、今は興味深く“読書”を楽しませてもらっている(;^_^A