神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

“7冠”ゴジラにも“外連味”を

 あの“日本アカデミー賞”で『シン・ゴジラ』が7冠(最優秀作品賞・最優秀監督賞・最優秀撮影賞・最優秀照明賞・最優秀美術賞・最優秀録音賞・最優秀編集賞)獲ったってねw(゚o゚)w  件の“日本アカデミー”は『幸福の黄色いハンカチ』と『はなれ瞽女おりん』が賞を獲り合った第1回の頃から知ってはいたけれど、もしかしたら“怪獣映画”が賞を獲ったのは初めてじゃないかな? これって、素直に喜んでいいんだよね(;^_^A

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これは「大ゴジラ特撮王国HIROSHIMA」で撮った“シン・ゴジラ” 

 確かにこの『シン・ゴジラ』を初日観に行ったときには、まさに度肝を抜かれて「こりゃえらいモンを観ちまった」って思いに当分駆られてしまった。勿論、その前の作品『ゴジラファイナルウォーズ』の“パンク”な作りに辟易していた自分としては大いに溜飲を下げたし、他の「ゴジラマニア」の皆様と同様、「そうだよ! こんなゴジラ映画をずっと待ち焦がれてきたんだよ!」なんて考えてスタッフに拍手喝采だった。

 しかししばらくしてこの“シン・ゴジラ熱”が冷めていくと、文字通り意識も“醒め”始めていく。そんな今でもやはり面白かったと回想できる作品ではあるんだけど、ちょっと観る者を突き放しすぎたんじゃないかな、なんて思ってしまった。考えてみれば、実際封切後政治家も交えてちょっとした論争になったが、このような“怪獣上陸”は“自然災害”に近い。今回はそこら辺を“律儀に意識しすぎた”演出・構成になったような気がする。だから暴れるゴジラと右往左往する人間とが今ひとつリンクしない。ゴジラはただただ台風のように周りを破壊しながら無軌道に前進するのみ。『大怪獣総攻撃』で主婦の悲鳴にやおらゴジラが反応して振り返るなんて、金子監督のような“外連味溢れる”演出など一切ない。そこに一抹の物足りなさを感じてしまったのかもしれない。

 思えば「東宝チャンピオンまつり」の時代、横浜の街でメカゴジラとチタノザウルスに追われ、思わず「ゴジラ! 助けてぇ~!」と叫ぶ小学生に心底怒りを感じ(そういう私も当時は小学生(;^_^A)、そんな“お子様ランチ”な演出が大嫌いだったはずなのに、ここまで擬人化といおうか、生命感といったものまで排除した“シン・ゴジラ”のキャラ設定には流石に戸惑いを隠しきれなかった(意外とギャレス版GODZILLAの方が人間臭かったかな?)。

 だからといって、本作は本作で十分成立してるんで、それをとやかく言うつもりはないが、せめて見得を切るぐらいの“外連味”はあってほしかったな、なんて思った次第。

 きっと続編が“VSモノ”として制作されることになれば、少しは変わってくると思う。折角狂言師野村萬齋に命を吹き込まれた“シン・ゴジラ”なんだから、次には是非!(;^_^A


【第40回日本アカデミー賞】作品賞は「シン・ゴジラ」!

 第40回日本アカデミー賞の授賞式が3月3日、東京・東京・グランドプリンスホテル新高輪国際館パミールで行われ、「シン・ゴジラ」が最優秀作品賞を戴冠した。

 プレゼンターを務めた日本アカデミー賞協会の岡田裕介会長は、「日本映画界のこの1年はアニメ界、特撮界、普通の映画と、垣根を越えた画期的な年でした」と振り返る。そして、「どこかの国のように間違えないようにしなくちゃ」と作品賞の読み間違いがあった、アメリカの第89回アカデミー賞授賞式を引き合いに出す茶目っけを披露した後、「シン・ゴジラ」の名を読み上げた。

 最優秀監督賞受賞時に思いのたけを明かした樋口真嗣監督は、「すみません、ありがとうございます。いただきます!」と謝意を示すのが精いっぱい。それでも、興行収入80億円を突破する大ヒットを記録した同作のスタッフが次々と受賞したことに思いを馳せたのか、「毎日過酷な条件で映画を撮っているスタッフに、『いつかこんな日が来るよ』と言いたい。みんな、頑張ろう!」と呼び掛けた。

 この日は庵野秀明監督が欠席したが、樋口監督とともに優秀主演男優賞の長谷川博己、優秀助演女優賞石原さとみ市川実日子も登壇。米国大統領特使カヨコ・アン・パタースンを熱演した石原は、「庵野さんの書かれた脚本が、本当に面白かったんです。撮影後、庵野さんに『カヨコが石原さんで良かった』と言われたときは、涙が出ました。今日のような場で終わることが出来て、本当に良かったです」と感極まりながら胸中を告白した。

 今作は、「ゴジラ FINAL WARS」(2004)以来12年ぶりに、東宝が製作したオリジナルの「ゴジラ」映画。総監督・脚本を庵野、監督を樋口、准監督を尾上克郎が務め、興行収入80億円を突破する大ヒットを飾った。14年のハリウッド版「GODZILLA ゴジラ」に登場したゴジラを上回る、体長118.5メートルという史上最大のゴジラをフルCGでスクリーンに描き出し、リピーターが続出するなど社会現象となったことは記憶に新しい。