神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

予告編は本編を超えるか?!

 先日のイベント「三大監督 地上最大のコラボ! by大ゴジラ特撮王国HIROSHIMA(←勝手に命名)」でも話題に上がった『シン・ゴジラ』だが、オールCGで描いたゴジラのことや、本作が空想科学映画というより“3.11”を体験した後の日本人だから描けた“ゴジラ”という災害映画であることなどの、過去のゴジラシリーズない描き方、という点よりも、実は私にとっては、本作がほぼ完璧なる箝口令のもと、徹底した“謎かけ”情宣に終始した点が一番特徴的だったと思っている。


 実際、当初は劇場まで観に行くか否か迷っていたこの『シン・ゴジラ』を、結局封切当日に観に行かずにはいられなくなったのも、予告編などでゴジラの形態以外ストーリーを想像させるものが全くなかったからだ。映画好きを標榜しながら、ここ最近劇場まで足を運んだ作品は『GODZILLA』『LUCY』『少女は異世界で戦った』ぐらいで、その前に遡ると『あらしの夜に』『ゴジラファイナルウォーズ』『子ぎつねヘレン』ぐらいしか思いつかない(おっとそれ以外にも娘たちの“引率”で『かいけつゾロリ』と『ズートピア』には行ったっけ(;^_^A)ような自分でさえここまで劇場にかき立てた、という点では、この戦略は見事に功を奏したと思う(;^_^A

 ただ、ここまで大胆な宣伝活動が出来たのも、「ゴジラ」という、その名を聞けば誰もがある程度の想像がつく稀代のキャラクターあってのことだ。だからこそこの戦略が当たったわけだが、これはどの映画でも通用する手段ではない。あるとすればAKBクラスのアイドル映画くらいではなかろうか。とにかく「ゴジラ」の如くよほどキャラがたっていなければ、無理な手段だ。確かに事前に情報を与えず劇場で驚きつつ作品を味わってほしい、というのは作り手の願いだろうけど。

 その真逆を行ったのが、エクスプロイテーションムービーだ。映画を“商売”と割り切り、如何に多くの観客を会場に招くかに腐心した、“帝王”ロジャー・コーマン御大を筆頭にしたB級娯楽映画の雄たちは、出来るだけわかりやすく、魅せ場も惜しみなく披露して(下手をすると本作にない過激なシーンを勝手に予告編に使って、本編では主人公の夢のシーンに挿入する、なんて反則技もなんのその!)、少しでも多くの観客をその気にさせる手法に炊けていた猛者ばかりだった。だから予告編の方が面白かったなんてこともざらだった(;^_^A

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 翻って、我がフィールドであるインディーズムービーについてだけど……私の作る予告編はよく「予告編だけでストーリーが判ってしまう」「予告編長過ぎ」などの指摘をよく受ける。最長で50分の作品に4分の予告編を作ってしまったこともあったし……(;^_^A


 しかしながら、先の『シン・ゴジラ』のようにキャラ名をタイトルに入れたらどんな冒険でも出来るメジャーの大作と異なり、知名度が格段に低いインディーズムービーにとっては、予告編で興味を持っていただくためにも、過剰なサービスは必要だと考える。そうしないと「あれ、この映画って何だ? 面白そうジャン」となかなか思ってもらえないような気がする。勿論敢えて説明を避けて却って不思議感を醸し出すアート系の作品もあるが、ウチは何といってもB級エンターティメント。「何か楽しそう」って思ってもらえなければいけない、という思いで予告編を作っている。要は上記のエクスプロイテーションムービーの同じだ、ってわけ(;^_^A

 だからいつも、予告編では最後まで迷ってなかなか出来なかったりするヾ(ーー )