神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

『シャークトパス』

 久々の“金曜日旧作DVD1本100円レンタル”シリーズレビューの第3弾は、『シャークトパス』! 私が敬愛して止まない“心の師”ロジャー・コーマン御大プロデュースによる痛快B(Z?)級娯楽SF映画だ
 
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 以前、巨大なサメ(メガロドン)と超巨大タコとが人類を巻き込んで大死闘を演じる『メガシャークvsジャイアントオクトパス』なる作品を紹介したことがあったが、今回は一匹で「サメ」「タコ」の両方を網羅するトンデモ怪獣の物語だ。もっとも、金門橋をジャンボジェットをいとも簡単に噛みちぎる“メガシャーク”と比べたら、この“シャークトパス”はせいぜいクルーザー程度の図体。でもそのフットワークの良さを駆使して、喰うわ喰うわ、殺すわ殺すわで、海洋を、川(サメが?)を人間の血で真っ赤に染める、それこそ八面六臂の活躍を魅せてくれる
 
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これが“シャークトパス” まさに“読んで字のごとく”の風体だ
 
 なんでも、米海軍の援助で遺伝子工学の研究をしていた父娘はが生み出した生命体で、元々制御用のマシン(彼らが言うところの“手綱”)をつけていたのだが、調子こいた少佐の言いなりになってあれこれ振り回しているウチに、その“手綱”が壊れてしまい、“シャークトパス”は予めインプットされていた“本能”の命じるままに、殺戮を繰り広げる。しかも、実は殺戮兵器として、父は軍の命じるまま、共同開発者の娘に内緒で密かに「人間を殺す」ように改造していため、己の食欲とは別次元で人間とあらば片っ端からぶっ殺す、とんでもなく物騒か“殺戮マシン”だったのである。
 
 そんな“シャークトパス”に喰い殺されるのは、釣り船をからかう若造の集団だったり、“シャークトパス”の存在を全く信用せずに茶化すDJだったり、人の死もいとわず私欲で取材に走るクルーだったりと、さしずめ「ドラえもんの道具で助けられた後、調子にのって悪さをするのび太」クラスのちょっとした“小悪党”ばかり。だから観る方もあまり罪悪感なく、この“映画という虚構”の中での殺戮ショーを堪能することが出来る(いささか悪趣味だが)。
バンジーに興じる水着娘を海面からパクリと“つまみ食い”したり、岩場で寝そべっている海水浴客を頭からガブリなんて“お約束”シーンもきちんと用意されていたっけ
 
 ちなみに物語は、「捕食ヒロイン」カテゴリーに入ってもいいくらい水着娘を喰いまくるゴアシーンと平行して、ちょっとナタリーポートマン風のヒロインと元研究所員との“シャークトパス”殲滅遺作戦が交互に展開される形で進行し、最後は川を伝っての山中シーンにまで話が及ぶ。結末はあっけなかったけど、それまで十分楽しめたからまあいいか 
 
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 ちょっとだけ"ナタリー・ポートマン"なヒロイン(もっと似ているカットもあったけど……)
 
 作品が作品だけに『ジョーズ』『テンタクルズ』にインスパイアされたと思しきシーンが続出したが、そんな中に『ガメラ大怪獣空中決戦』と思しきシーンもあったり、タコ側の触手が“イリス”のそれそっくりだったりと、この監督の“守備範囲の広さ”には驚かされる CG合成もなかなかなもので、触手の生々しい動きやクリーチャーの質感も良くできていた。でも丘に上がった“シャークトパス”が実にハリボテ感満載で「ここだけ実際に作ったのか」と思うぐらい“いかにも”に見えた。実はこれもCGだったんだけど、別に“ハリボテ感”まで再現しなくてもなぁ……
 
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USJの“ジョーズ”のアトラクションのような“ハリボテCG”
 
 ところで、劇の前半、ビキニの姉チャンが喰い殺されるシーンをぼーっと見守る、いかにも木偶の坊といった風体のじいさんが登場するのだが、どうもこの男、プロデューサーのロジャー・コーマン御大のカメオ出演に思えて仕方がない。
 
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 天下のロジャー・コーマンがこんな役、と思ってしまうが、それが“銭"になるならばどんなことだっていとわない、彼のプロ根性を考えれば、この出演も考えられる。でも、もし本当のそうだったら、もっとこの点を宣伝しないと、コーマン御大!