アンヌとブリジット
ヒロインアクションムービーの金字塔として君臨する、リックベンソン監督の『ニキータ』。この作品のシャープといおうか硬質な雰囲気、ハードかつハートフルな展開など、泥臭い東映系ヒロインアクションになじんでいる身としてはちょっと違和感を覚える作品ではある。
それは主人公・ニキータ役を務めるアンヌ・パリローの容姿によるのかもしれない。東映系(東映系日活映画『黒い牝豹M』も含む)では、池玲子を筆頭にした“豊満系”か、斉藤由貴・南野陽子に代表される“ありえないお嬢さん系”が、ヒロインアクションの主人公だったりするからだ(例外的にスレンダー美人・杉本美樹がいるが……)。そう思うと、斉藤由貴や南野陽子をいっぱしのアクションヒロインに仕立て上げる東映という会社は、『ニキータ』における政府機関も真っ青の組織といえる(笑)
そんなわけで、私個人としては、『ニキータ』(アンヌ・バリロー)よりは、その亜流として制作された『アサシン』(ブリジット・フォンダ)の方が魅力的だ。ニキータが洗練された、性を感じさせない精悍な殺人マシーン(やがて情は生まれるが……)なのに対し、ブリジット演じるマギーは、意図的だろうかセクシーな衣装に身を包みつつ、実に女らしい雰囲気を醸し出している。実用的に考えればニキータの方がアリなのだろうけど、そんなマギーに“ヒロインアクションムービー”の王道を感じてしまうのである(笑)
何といっても彼女の叔母は究極のアクション(セクシー)ヒロイン“バーバレラ”(ジェーン・フォンダ)なのだから(笑)