神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

“女性”隊員 美川のり子

 特撮ドラマに出演する役者はどんな気持ちでその役を演じているのだろう? もちろんどんなドラマであれ、レギュラー出演が叶えば、生活面も潤うし、露出によってまた新たなオファーを受けることができるかもしれない、と考えるときっと嬉しいことかもしれない。ただ、ここでいう“気持ち”とは、「その役を心から喜んで演じられるか」という面だ。ウルトラマンA』のTAC隊員・美川のり子を演じた西恵子を観るにつけ、そんな思いが募ってきたものだった。
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 男女の合体によって変身するウルトラマンの特性上、ウルトラシリーズ初めて女性隊員が2名登場した“Terrible-monster Attacking Crew”TAC。隊長からし“井坂十蔵”こと瑳川哲朗、隊員に“日活アクションのチンピラ役”が多かった沖田 駿一を配するなど、それだけでもなかなか凄い組織だが(笑)、その中で“普通の女性隊員”だったのが美川のり子。この主のドラマには場違いなくらいの美形で、丘ユリ子とは違った形で“大人の女性”のイメージを醸し出していた。おそらく変身キャラとしてある種“ジェンターフリー”な雰囲気を持つ南夕子との差別化を図ったからと思うが、過去3作品の対怪獣チーム女性隊員と較べ「とても実戦に参加なんてできそうもない」ようなキャラクターだった。
 
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 エピソードも、女性を色濃く生々しく感じさせるものが多く、ストーカーのような同級生に拉致監禁される第4話「3億年超獣出現!」ヤプールの尖兵“宇宙仮面”に心奪われてしまう第22話「復讐鬼ヤプールなどが有名だ。当時の世相を反映するように私服は殆どミニスカート(劇中の私服は全て本人所有のものだったらしい)、まさに、特撮ドラマには場違いなくらい“女の色香”を漂わせていたな(笑) もちろんタイトな隊員服もいい(笑)
 
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 このようにキャラ的にも“子供番組”の枠を超えてしまった感のある美川のり子隊員なだけに、演じる西恵子にとっては不本意な出演だったのではないか、と勘ぐったりもしたものだが、近年『ウルトラマンA』がらみのイベントや番組にも出演したり、DVDの特典映像ではTAC同窓会で嬉々とした姿を見せてくれたり、しかも自身が夫婦で経営する喫茶店では、未だに訪れる『A』ファンを大事にしてくれている等々のエピソードを見聞きするにつけ、本当は彼女はこの『A』を、美川のり子隊員を今でも大事にしてくれていることが感じられ、私の勘ぐりが杞憂に終わってくれたことをとても嬉しく思った。
 
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 彼女が経営する喫茶店には、東京出張があったら何とか尋ねてみたいと願っている。尤も、行けば必ずその場で『A』のDVDを買うことになると思うけど……(笑)