神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

「広島」の後押し

「広島」が後押ししてくれた……

 「広島発ヒロインアクションムービー」と称してこれまで10年間、計7作品に関わってきたけれど、これはぶっちゃけて言うと、単に広島人だったから。それに折角“地方”にいて、写り込む映像は広島のものなんだから、敢えて“東京弁”で台詞言わなくてもいいじゃん、との思いで、90年代頃から広島弁を普通に話す映画作りを心がけてきた。それが“広島発~”に繋がっていく。

 ただ、広島だからって、声高に反核平和を訴えようとは思わなかった(反原発カルト集団が登場する『電光石火☆八城忍』に関しても、反核平和そのものがテーマではない)。思い起こせば今から28年前、『午下がりのシンデレラ』という8ミリ映画で日本映像フェスティバル(日本テレビ主催)ドラマ部門優秀賞を戴いた際、表彰式のあった讀賣会館(今の有楽町ビックカメラ)での懇親会の際、審査員の一人から、この作品が広島でありながら原爆テーマではないことに注目した云々という半紙を戴いた。勿論この意見自体はある種偏った見方かもしれないが、中には「広島だから原爆を」という拘りのない自由な映画作りをすることも大切か、なんて思ったりした。

 以前は、同じ原爆禍にあった長崎が、それ以外にしっかりした土地の文化を持っているのに対し、広島は原爆さえ観光の目玉にするくらい文化に乏しい街だと、地元民ながら寂しく思っていた時期もあった。しかし数年間他県に住んで外から広島を見つめたり、その後も広島について考えるようになってから、広島も又、原爆に頼らなくてもいい独自の素晴らしい文化、アピールすべきポイントを有していることに気付いた。極端なことを言えば「広島弁」さえ素敵な文化の一つだ(特に女性がはにかんで言う一人称「うち」にはエクスタシーを感じる(;^_^A)。

 当方の広島発ヒロインアクションムービーは、旧市民球場を舞台にした『天使諜報★神宮寺真琴~市民の敵は場外へ飛ばせ!~』や、呉の名所で意図的にロケをした『特命探偵☆葛城アキ~郷土の怒りをびちまけろ~』以外、あまり広島を意識した場所でロケをしていない。しかし、それ故「自然な広島の空気感」を映像に残せたのでないか、と思っている。別に大阪の映画だから「大阪城」「通天閣」を移さなくても“大阪弁”という武器を使うだけで十分“関西ムービー”になるように。

 そんな形で広島と関わって、でもしっかり“広島発”と冠をつけてしっかり“武器”にしてきたんだけれど、ちょうど当団体にとっても「結成30周年」「ヒロインアクション10周年」の節目となったこの2016年が、オバマ平和公園電撃来訪や、広島東洋カープの25年ぶりリーグ優勝といった、広島が全国から全世界から注目される年になったのは、何ともタイミングが良く、それ故今回の上映会の盛況ぶりが「広島発~」の冠をつけただけあって、「『広島』が後押ししてくれた……」との思いに駆られる理由である。

 こんどはこちらが頑張って、逆にもっともっと「広島」に還元していかなければ、と思っている。それは例えば他の地域に「広島発」で進出することであったり、いろんな形で広島をPRすることだったりすることだったりする。

 まあ今後どれくらい映画に関われるか分からないが、そんな気概をもって臨んでいきたい。

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