神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

愛は眠らない

 過日、所要で役所に電話をかけた際、対応を待っている間に受話器から流れてきた曲が、「そよ風の誘惑」。かのオリビア・ニュートン=ジョンのヒット曲だ。といってももうどれだけの人が知っているだろう……時たまCMでも流れたりするけど……当時は他にもノーランズっで女性ユニットも活躍していたな。ちょうど友人が洋楽好きで、その手の話題には事欠かなかったけど、もううんと昔の話だ
 
 ところで、オリビア嬢に関しては、「ジョリーン」や「カントリーロード」といった曲は当時よく知っていたが、この「そよ風の誘惑」に関しては彼女の曲、というイメージはなかった。それというのも、この曲(敢えて“曲”という)を初めて認識したのは、椎名恵による日本語版カバー曲「愛は眠らない」だったからだ。
 
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 「愛は眠らない」を主題歌にしたドラマは『花嫁衣装は誰が着る』という、かの大映テレビ製作の“ギラギラ”ドラマだった。他の大映ドラマ同様、激しく大仰なこってりした愛憎劇がこれでもか、と展開する。どろどろした中でも分かりやすすぎる人間構図、そしてラストに向かって強引に和解していくのも、この種のドラマの王道だった。そういえば、「愛は眠らない」の流れるオープニングに、岸壁で戯れるウェディングドレス姿の集団、という実にシュールなシーンが流れていたっけ。タイトルの『花嫁衣装は誰が着る』ってのも、今思うと、なかなか凄い題名だ
 
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 その後、この曲が実は「そよ風の誘惑」のカバーであることを教えてもらい、早速レンタルショップでLP(CDでないところが時代を反映してるな)を借り、聴いて「原曲もいいなぁ」と思ったものだった。出来れば自作映画のBGMに使いたかったけれど、版権問題もあり断念した。そのくらいお気に入りの曲となった。
 
 その歌のインストゥルメンタルが、今日電話の“待ち受け”に流れてきたのだった。その演奏は実に心地よく、しばし曲に聴き入ってしまったが、そのうちあまりにも長い間聴かされてしまったので、いつしか「おいおい、別に『歌のない歌謡曲』聴いとるんじゃないんでェ?」なんて思いが募ってきたところで、ようやく応対が再開し、その曲は止まってくれた。
 
 大映ドラマって、まさに「20世紀の徒花」といっていい“カルチャー”だったが、こうやって今も“大きなお友達”たちの脳裏にしっかり刻まれている。勧善懲悪・予定調和なドラマに惹かれるのも、こんなドラマ体験があってのことだろうな