神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

アメリカの“志穂美悦子”?

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 タランティーノの『キルビル』2部作は、邦画派の私にとっても、とても好きな映画だ。勿論、香港クンフーにオマージュを捧げた“2”よりも、東映アクションを始め往年の日本アクション映画に思いを馳せた“1”の方が断然好きだが。

 特に“1”には“ソニーチバ”こと千葉真一がいかにもといったキャラクターで登場しているのもいいし、端役ながら日活ロマンポルノピンクリボン賞受賞女優『夫の目の前で』の風祭ゆきがキャスティングされているところなんか、「タランティーノ! お前邦画の何観てたんだ!」と突っ込みたくなって何だが嬉しい(笑) 後半の四肢飛び散る残虐シーンは『ショーグンアサシン』こと若山富三郎版『子連れ狼』にオマージュを捧げているんだろうな。エンディングの「怨み節」も最高によい。まさにハリウッドによる往年の邦画の“本歌取り”といっていい(何やってんだ、日本映画!)。

 そんな『キルビル』で主役を張るのがユマ・サーマン(正式にはウマ)。『死亡遊技』のトラックスーツに身を包み、見事な剣劇を披露する。“2”ではクンフーまで伝授する(もっとも時間軸的にはこちらが先)。そんな彼女、思えば『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』の“ポイズン・アイビー”に端を発し、『アベンジャーズ』の“エマ・ピール”(キャットスーツに身を包んだ元祖闘うヒロイン!)、果ては『Gガール 破壊的な彼女』の“Gガール”と、善悪を問わず、体を張った見事なスーパーヒロインぶりを演じ切っている。もはや“水野美紀”を通り越して“志穂美悦子”の域に達しようとしている女優だ。

 パッと見のイメージからは想像もつかないアクションヒロインぶりだが、それまでのフィルモグラフィーを見るに、その傾向はここ10年ぐらいの間のことらしい。御年39歳の彼女、これからどのようなヒロイン像を演じてくれるのか、今後に期待したい。もっとも年齢的には難しいかもしれないが……