神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

『シュガー・ラッシュ:オンライン』①~可視化されたインターネット世界~

 最近、レンタルで最新作版(“ロック様”主演!)の『ジュマンジ』を観た娘たちが、「ゲームの中に入って冒険する物語」にえらく興味を持ったようで、そんな訳で、格好の作品として彼女らがチョイスしたのが『シュガー・ラッシュ:オンライン』だった。無難で 安定感抜群のディズニー映画だけに、健全で退屈bな時間を過ごすことになるんだろうと思いきや、意外に注目すべき作品に仕上がっていたよ(;^_^A

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 アーケードゲームのゲームキャラで、お互い親友となったヴァネロペとラルフが、ヴァネロペのゲーム「シュガー・ラッシュ」のハンドルが破損し、その部品を調達するために、インターネットの世界に入り込んで冒険する、ってのが大まかなストーリーだ。もちろん両者とも本来はプログラムされた“電気信号”に過ぎず、その活躍は当然ながらバーチャルリアリティー(仮想現実)で表現されるんだけれど、「アーケードゲーム=田舎」「インターネット=都会」といった構図で典型的な『いなかのねずみとまちねずみ』的世界観の中、無知なまま未知なるインターネットの世界に来てしまった2人のキャラのドタバタが面白おかしく描かれている。

 そんな中、特筆すべきは、「ネット通販」「ポップアップ広告」「ツイッター」「動画閲覧」「イイネ」といったネット上のバーチャルなやりとりを、徹底して“可視化”している点に尽きる。PCを通してインターネットに繋がると、その人物は四角い顔の無機質な「ネット住人」と化し、それが様々なサイトに「瞬間移動(それも乗り物によって)」し、「オークション」に参加したり、動画に「イイネ」のハートマークを雨あられのように振りまく。またネットゲームの世界では、実際に自信がゲームキャラと一体化し、ゲーム内のバーチャルなライバルとシノギを削る。更に、ポップアップする悪徳商法に嵌っていく過程も“画”として描かれている。そこら辺の徹底ぶりは、“インサイド・ヘッド”の前例があるとはいうものの、観ていて実に興味深かった。

 そう言えば、本作には『ボスベイビー』の「パピーコーポレーション創業者・フランシス」のような際立った悪役は登場しない。最初は敵対するものの、後にはうち解けるってパターンだった。だから2人の冒険は、いかに部品のハンドルを無事ゲットして、もとの世界に戻るかにかかっている………って思っていたんだけれど、クライマックスに向かって、意外な展開が待っていた……(②に続く)