神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

『カリオストロの城』に“王道”の涙を……

 昨日、たまたま放映していた『ルパン三世 カリオストロの城』を観賞。そして泣けた(;^_^A 何といってもこの映画のラストシーンは秀逸である。

 そもそもこの作品自体、主人公たちが困難を克服し、ついに“無償”の大勝利を掴む設定といい、ラストに何とも切ない余韻を残しつつハッピーエンドで大団円を迎えることといい、実は“異色作”ではなく極めて王道のエンターティメントだったりする。

 ラストシーンにおいて、王族の略歴を捨ててまで盗賊として「おじさま」(ルパン)について行くと、男女の関係を超えてルパンを抱きしめるカリオストロ家の王女・クラリスに対し、娘の様ないとおしさと仄かな恋心を滲ませつつ、敢えて彼女の手をふりほどき、敢えて唇ではなく額に口づけし、彼方へと去っていくルパン。このまるで任侠映画のようなストイックなシーンに、まず涙が溢れてくる。そこへだめ押しのように、かの銭形警部の名台詞「いや、奴はとんでもないものを盗んで行きました……あなたの心です」が出てくるともうダメ……バックに流れるテーマ曲「炎のたからもの」と共に、もう号泣ものである(;^_^A


 この『カリオストロの城』が公開されたのは1979年。はや40年近く前の作品なのに、未だ色褪せない。この想いは10年後も20年後も……おそらく死ぬまで変わらないと思う。こういう映画こそ名作・古典と称されるにふさわしい作品なのだろう。

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 クラリスの想い、そしてクラリスへの想いを自覚しながら、それでも彼女を抱きしめることが出来ないルパンの真の愛情・慈愛……この彼の全身を貫く切なすぎる“溜め”こそ、この映画の最高のシーンであり、いい意味でこれからの映画・ドラマに“模倣”してほしいシーンでもある。こんな切ない感動がほしい!