神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

火垂る

 昨日のブログの続きだけれど……

 満天の星空の下、その輝きに対抗するかのように、仄かな、幽かな、それでいて意外に強い光を放つ蛍の群れ。我々の頭上の空間を文字通り“泳ぐ”ようなものもいれば、河原のそこの方からフワフワ浮かんでくるもの、お互いが図ったかのようにクロスして飛ぶものなどまちまちながら、夜が更けると共に、多くの蛍たちが、まるでそれぞれが人間のようにどこか“性格”を持っていて、我々に「見てくれよ」といわんばかりにぞろぞろと光を放ちながら飛び始める……

 そんな光景を目の当たりにして、ふと、この光景が意味するかも知れないある“妄想”に、我ながら狼狽してしまった。そして「今日、この蛍たちが意味するものは……」と考えると、今目の前にある情景を、単に浮かれてみていていいのか、との焦燥に駆られた。

 奇しくも昨日は、かの広島集中豪雨禍から丁度一週間の日。本来季節外れといってもいい、こんな日に、まるで「見てくれよ」といわんばかりの蛍の群れ……

 かの高倉健主演の映画『ホタル』でも、故高畑勲氏が渾身をこめて制作した『火垂るの墓』でも。蛍は死者がその姿に仮託して現れるものだ、と説いている。そうなると、この時間帯に多く現れた蛍の持つ意味は……

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 そう思うといたたまれなくなって、空中を飛び交う蛍たちにそっと手を合わした……