神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

愛と平和の詰まった“新新”尾道シリーズに期待!

 昨晩のローカルニュースで、先頃癌を乗り越えて、以前からのライフワークともいえる『花筐/HANAGATAMI』を撮り終えた大林宣彦監督が、何と新作を、しかも久々に故郷・尾道で撮るという話題を紹介していた。

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 かつては“尾道三部作”シリーズを始め、尾道を舞台にした作品を一時期多く撮っていたものの、尾道市との軋轢もあったのか、徐々に尾道との縁も薄れていき、確か『男たちの大和』で向島のドックに大和のオープンセットが組まれたことが“致命傷”となって、以後尾道を顧みなくなってしまったと記憶している。その後の尾道NHK朝ドラの舞台になったり、数多の映画・ドラマのロケ地になったりしたが、我々にとっては……否多くの映画ファンにとって、尾道はやはり大林監督の映画の舞台というイメージしか沸かなかったと思う。

 そんな大林監督の30年ぶりの尾道をメインにした作品。そのロケシーンの一部も紹介されたが、清楚なセーラー服姿の女学生が、尾道水道をバックに自転車を走らせるという、かの『さびしんぼう』の橘由里子を彷彿させるような映像で、しかもストーリー自体、「ミュージカル映画を見ていた若者たちがタイムスリップし、巡業中に広島で被爆した劇団「桜隊」のメンバーと出会い……」云々といった展開らしく、あたかも大林監督のジュブナイル感覚がつまった“尾道三部作”を思わせる内容らしい。それでいて、戦争や原爆をテーマにするなんて……こんな欲張りの映画ってないよ! 本当に期待したい。

 大林監督の気骨な反戦魂は、以前NHKのBSで放映された「最後の講義『大林宣彦』」の中でも遺憾なく発揮されていたが(「ゴラク」という“糖衣”に包んだメッセージhttps://blogs.yahoo.co.jp/jinguji_ipf_s1986/29470850.html)、そんな監督が『花筐/HANAGATAMI』に続いて若者に送る平和のメッセージがきっと詰まった作品になるに違いない。今まさに炎天下の尾道でロケが進行中なのだそうだが、昨年の暑い夏にロケを敢行した身としては、昨年と違わぬ熱い広島の夏のロケで、健康を害しないか本当に心配ではある。しかし“映画の神”に支えられ末期癌すら克服した大林監督のこと、きっと今回も“映画の神”ご加護があると期待している。

 何といっても、今回は“平和を訴える”という尊い仕事をしているんだもの!


大林監督20年ぶり尾道ロケ 戦争と原爆をテーマに新作
https://this.kiji.is/386360725600175201?c=237824576730646012

 映画監督の大林宣彦さん(80)が、約20年ぶりに故郷の広島県尾道市などをメインロケ地として、戦争と原爆をテーマにした新作映画を撮る。大林さんはがんで闘病中だが、尾道市の神社で1日、撮影の安全を祈願し、新作への思いを語った。

 最新作は「海辺の映画館―キネマの玉手箱―」。ミュージカル映画を見ていた若者たちがタイムスリップし、巡業中に広島で被爆した劇団「桜隊」のメンバーと出会い、ストーリーが展開する。

 この日、大林さんはスタッフたち約50人と、「時をかける少女」(1983年)などのロケ地になった尾道市長江の艮(うしとら)神社で出演者を紹介。「生まれ育った尾道は居心地が良くほっとする。戦争のばかばかしさを知る最後の世代として、未来を生きる子どもたちのために伝えたい」と語った。

 8月中旬まで、尾道福山市で撮影。東京のスタジオに移り、9月ごろに撮影を終える予定。尾道市をメインに製作するのは「あの、夏の日 とんでろじいちゃん」(99年)以来。