今も忘れない街並み
昨日の日曜日、諸事情あって、昔住んでいた街に訪れた。この街は私が小3~中2までの多感な時期を過ごした街だ。
この街には何度も来てはいたが、行くのは決まって大型スーパーなんで、なかなか昔住んでいた辺りまで足を運ぶこともなかったが、今日はふと思い立って、ちょっとばかし、付近の街並みを歩き回ることが叶った。
この街に超してきたときから、街の区画整理が噂されていて、それから幾星霜……いつの間にか、住んでいた借家はおろか、そこら辺りがすっかり「別の街」と化していた。あの当時あんなに周りにあった田んぼが見事になくなり、家の辺りは道路となり、ものの見事に「記憶の町並み」は姿を変えていた。しかしながら、近くのビルやマンション、県警ビル、学校、合同庁舎辺りは何とか健在で、そんな建物を足がかりに、まずは当時自宅から近かった小学校の通学路を探してみた。
すると、建物の雰囲気は全く異なるものの、何となく当時の街並みが自分の脳裏に浮かんできた。しかもその光景は、自分が夢想しているときに、その背景の様に浮かんでくるいくつかの風景だった。それも身近に浮かんでくる風景だ。自分の脳裏にはまだ広島東洋カープが初優勝する前の時代のこの街の風景がついこの間のように残っていて、それが今ではすっかりなくなっているものの、少しは面影の残る路地などを見ると、鮮やかに甦ってくる、という感動。まるで今街を散策する私の前に、愚図だった小学校時代の私がとぼとぼと帰宅する姿が出てきそうな感慨……思いがけず自分を見つめ直す機会になったよ(;^_^A
そして、そんな原体験が、きっと映画制作の際のアイディアというか“糧”になっていくような気がした。