「大阪の中心で広島を叫ぶ」(;^_^A
普段は対戦できない、しかも年3試合しか組めないセパの交流戦。この日のオリックスの先発は山岡、対する讀賣の先発は田口……この投げ合いは、今を去ること5年前の2013年全国高校野球選手権大会広島県大会決勝の組み合わせ以来だったのだ。しかもその時は、瀬戸内高校・山岡、新庄高校・田口が一歩も譲らず、引き分け再試合となり、しかもその決勝も、瀬戸内が1-0で辛くも新庄を退ける、という劇的な展開だった。その際、前日の熱投引き分けを知った高校野球ファンが再試合の場、尾道しまなみ球場に全国から訪れ、ちょっとした話題になったものだ。
その後、田口は高卒ドラフトで讀賣入団、一方、当時の監督から「いきなりプロは難しい」との教えを守り社会人「東京ガス」を経てドタ1でオリックスに入団した山岡とは3年のキャリアの違いはあるものの、ローテの組み合わせのタイミングもあって、本当は昨年の交流戦、東京ドームでの讀賣vsオリックス戦で実現するはずだったが、何故か讀賣(高橋由伸)が田口の登板を回避し、「幻の再戦」となってしまった。そして今年2018年、会場を大阪ドームに変えて、ついに実現の運びとなった。

試合は、山岡が一回にホームランで先制を許しながらも、六回に味方の援護で1対1の展開。その六回に田口降板、そしてオリックスが勝ち越した八回に山岡が降板するものの、後続の投手がその回同点に追いつかれてしまったため、件の2人には共に勝ち負けがつかず痛み分け。試合の方は延長十二回裏の二死二塁の状況で代打・伏見の決勝打によって、辛くもオリックスが勝ちを拾った。
そんなわけで、「広島」を意識せざるを得ない試合展開だったわけだが、その中でもう一人、オリックスのルーキー・福田選手の活躍も書いておきたい。実は彼、出身は広陵高校で、現在日ハムで活躍する有原投手と同期で甲子園経験もあり、今年社会人を経てオリックスに入団したルーキーである。そんな彼はこの試合で途中出場し、11回表にはセカンドの位置でセンターフライを深追いしすぎセンター後藤のエラーを誘発して大ピンチを背負わせたり、逆に十二回裏には先頭打者としてヒットで塁に出て結局サヨナラのホームインをするなど、実に印象深い活躍をしていた。

オリックスの伏見寅威捕手(28)が延長12回、人生初のサヨナラ打を放った。
引き分け目前の延長12回2死二塁。最後の最後で声がかかった。ベンチには投手2人を残すのみ。野手ラストとなる代打で登場すると、7番手・池田から左越えに打った瞬間それと分かるサヨナラ打を放った。お立ち台では「やりました!使ってくれた監督のためにも何とか打ちたいと。(サヨナラ打は)人生で初めてです」と声を張り上げた。
チームは連敗を2で止め、5割復帰を果たした。