神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

『サンダ対ガイラ』 東宝自衛隊かく戦えり!

 『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』の特徴の一つに、“東宝自衛隊が強く且つカッコいい点が挙げられる。何といっても、ただ闇雲に怪獣に向かって砲弾を撃ち込むのではなく、メインの“メーサー殺獣光線車”やその他の小型メーサー器を中心に据えた、「L作戦」なる“腰の据わった”プランで怪獣ガイラに臨むからだ。

 中でも、リアルとファンタジーの狭間に位置するような超兵器“メーサー車”の活躍がめざましい(;^_^A キャタピラの牽引車がタイヤ使用のメーサー車本体を引くという点に違和感を感じるものの、その本物感という点では、後の東宝特撮に手を変え品を変え登場する数多の“後継機種”と比べても、この『サンダ対ガイラ』におけるオリジナルが一番の様な気がする。この“殺獣”というファンタジー命名も、元々は日本に向かって飛来するミサイルを水際で撃ち落とすために開発された云々の設定を誰かが記述していて、そう思うとこの荒唐無稽な超兵器も俄然現実味を帯びてくる(;^_^A

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 そんなメーサー車の能力を遺憾なく発揮させるために、ヘリ数機の大破という多くの犠牲を払いながら、山中の湖にガイラを誘い込み、メーサー車やメーサー器の攻撃と湖中に放り込んだ放電線の電撃とで、ホント後一歩でガイラを駆逐できた、この「L作戦」は東宝自衛値史上最高の作戦ではあるまいか。確かに『空の大怪獣ラドン』で、東宝自衛隊は唯一怪獣を人間の力で駆逐したが、その作戦は闇雲に阿蘇の火口にミサイルを打ち込むというもので、それから比べたら「L作戦」の方がよっぽど洗練されている。もしサンダの助っ人が入らなかったら、見事作戦は成功していたはずだし……(ここら辺はドラマの進行上“大人の事情”があった訳で……(;^_^A)

 また、このメーサー車は、クライマックスの東京決戦でも登場するが、サンダもガイラも抹殺せよと主張する総司令・橋本陸将補(田崎潤)の強硬な態度とは裏腹に、常にガイラしか狙わない、という心憎いばかりの攻撃(演出?)を仕掛けてくれる。まさにサンダの“援護”だ。そして前出の橋本陸将補が呟く「何たる怪獣だ、これだけの攻撃にまだ倒れんのか!」の言葉……この時東宝自衛隊は本気で自力でこの2大怪獣を駆逐できると思っているのである。今までの添え物的な立場を考えると、何たる自信!Σ(゚д゚;)

 結局、東京湾洋上で死闘を続けるサンダ・ガイラに引導を渡したのは、突如発生した海底火山の爆発。だがそれとても、怪獣たちに執拗に爆撃を続けるHSS2ヘリの爆弾が火山の噴火を誘発したようにも見えるので、『ラドン』同様、自衛隊の活躍がこの事態を“演出”したといえなくもない。本当に最初から最後まで、東宝自衛隊は八面六臂の活躍を魅せてくれている。

 ちなみに東宝自衛隊の仕事は、徹底した“専守防衛”。飽くまで日本人民の生命財産を守るべく、水際で活躍する。集団自衛権なんて詭弁によって、国外で某国の利権のため人殺しの片棒を担がされそうなリアル自衛隊も、是非東宝自衛隊を見習ってほしいモノだね……