神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

若松孝二監督を振り返る

 生涯の生業を得るために4年間を過ごした学生時代だが、そこで一番得たと自負できるのは、映画制作との出会いだった。とは云っても、実際に映画の道を志した同級生とは裏腹に、私は“無難”な生業の道を今日まで歩んではいるものの、やはり“麻薬”のような映画制作の欲求は耐え難く、未だに「インディーズ(自主制作)」という立場ながら、映画を撮り続けている(;^_^A

 そんな自分に、新鮮な衝撃を与えてくれたのが、何を隠そう、ピンク時代の若松孝二監督作品だった。これは主に「東宝ビデオ」のラインナップをレンタルビデオで借りてて観て接したわけだけれど、とにかく刺激的で挑発的だった。コントラストの強いモノトーンに、鮮烈なパートカラー……敢えて断言するけれど、元々ピンク映画フォーマットで撮られた若松監督の一連の作品ながら、それらを“ピンク」と後ろめたい気持ちで観たことは一度もない。勿論、“助平”な気持ちに駆られたことも一度もない。ただただ強烈で不条理で、圧倒されてばかりいた。中でも、その激しすぎるバイオレンスぶりで、私が若松監督に傾倒するきっかけを与えてくれた『新日本暴行暗黒史 復讐鬼』や、卒業後福岡の先輩を頼って行った際、レンタルビデオで借りて一緒に観て思いがけず衝撃を受けた『胎児が密漁する時』などは、その双璧だ。他にも『鉛の墓標』『犯された白衣』『狂走情死考』『処女ゲバゲバ』『現代好色伝 テロルの季節』『秘花』などを貪るように観た。『水のないプール」も良かった。『完全なる飼育 赤い殺意』では、ある種タブーとされた「新潟少女監禁事件」に刺激的はアプローチをかけて、反骨監督の面目躍如と、喝采したい気持ちになった。

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 そんな若松監督が不慮の事故で世を去って6年あまりの時間が経過したが、昨今監督や、指定の大和屋竺監督の作品がDVDで次々リリースされるという喜ばしい事態が続いている。おかげさまで大好きだった『復讐鬼』『胎児が~』と再会できたのは勿論、『異常者の血』や『怨獣』といった未見の作品まで鑑賞できたのは収穫だった。

 そんなわけで、今後も折を見て、若松監督作品に対するレビューも紹介できたなら、なんて思っている(;^_^A