神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

『男たちの挽歌Ⅱ』“へっぴり”のディーン・セキに愛をこめて(;^_^A

 過日、大好きな『男たちの挽歌Ⅱ』のCATV放映を知らずに観過ごしてしまい、その無念を前のブログにしたためた(https://blogs.yahoo.co.jp/jinguji_ipf_s1986/29332429.html)ことがあったんだけど、そのおかげさまでリピート放映を無事録画することができた(^^)

 とはいっても、お気に入りにシーンは決まっている! 中盤、アメリカンマフィアに包囲されたケン(チョウ・ユンファ)と、ルン(ディーン・セキ)が、ショットガンやピストルを武器に強行突破するシーンと、クライマックスの、ホー(ティ・ロン)・ケン・ルンの三人が、宿敵・コーのアジトへ殴り込みをかけるシーンだ(;^_^A 共にあの素敵すぎるシリーズのテーマ曲(「A Better Tomorrow Main Theme」)が流れる中、主人公たちが内に秘めた怒りを爆発させて、巨大な敵に果敢な闘いを挑んでいく。まさに東映任侠映画のクライマックスにおける「殴り込み」「討ち入り」を現代に甦らせたかごときシーンに、いつも胸が血が騒ぐ(;^_^A 

 ただそんな“男たち”の格好良さが爆発するような場面に、なんとも滑稽なカットが登場する。それは殴り込みをかける3人が、ホーの最愛の弟・キット(レスリー・チャン)が殉職した、その血に染まったコーのアジトの塀を乗り越える、なんとも象徴的なシーンなんのだが、その「乗り越える」姿が、およそこのシーンには似つかわしくないくらい滑稽なのだ。抜群の跳躍力で塀をぴょんと乗り越えるホー、片手をついて格好良く駆け上がるケンに対して、中央のルンは、まるでずっこけるように着地してしまうのだ。それも片手片足で横の2人を蹴散らすように……このストーリーを逸脱したようなカットは、実はお気に入りで(;^_^A、子供と一緒に何度もリピートして、何度も笑わさせてもらった(この滑稽さは小学生でも理解できたようだ(;^_^A)。そして前のシーンがなかったかのように、再び極めてシリアスな展開になっていくのもいい(^^)

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 このルンを演じたディーン・セキは、初期のジャッキー・チェンの作品では決まって意地悪な先輩とか、変な風体の助っ人とか、とにかくコメディーリリーフとして登場するこtこが多い役者だ。それ故、過去のばかばかしさをかなぐり捨てたような今回のシリアスな役柄の中で、こんな滑稽な演技をしてくれると、却って安心して嬉しくなってしまう(;^_^A

 ちなみに、元々『男たちの挽歌』の続編は、ホーと前作で死んだマーク(ケンの双子の兄弟)の前日壇になる予定だった(この点は、マークのみながら、ベトナム戦争を背景にした『Ⅲ』で実現)のだが、その頃ツイハーク(プロデューサー)やジョン・ウー(監督)と旧知の仲だったディーン・セキが事業に失敗して多額の借金に追われていたからと、急遽彼を主人公にしたこの物語に変更された、という“ちょっといい話”があるのだが、『Ⅱ』イチ押しの私にとっては、もしディーン・セキが事業に成功していたならばこの作品はなかった訳なんで、変な話だが、彼が事業に失敗して良かった、なんて邪なことを考えてしまうヾ(--;)

 そんな訳で、今後も何度も何度も何度も何度も何度も……このシーンを観返すンじゃないかな、って思ったりする(;^_^A