神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

万感、スペースワールド! ~ファイナルヴィーナスは2列左席~

 昨年12月に西日本新聞に「北九州のスペースワールド、閉園へ 経営難理由か、2017年末」というショッキングな記事が掲載されて以来、理不尽な閉館騒動に振り回されながらも、急遽決まった“ラストイヤー”を、このテーマパークをひどく気に入っている娘たちにどう向き合わせるかを心底苦慮しながら、ついに最後の一週間を迎えることとなった。ちなみに発表当時の混乱ぶりは当時の拙ブログ「嗚呼、スペースワールド……(TmT)」(https://blogs.yahoo.co.jp/jinguji_ipf_s1986/28444581.html)したためている。

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 そんなわけで、ラストウィークとなった過日、ついに自家用車日帰りの強行日程で家族を“最後のけじめ”と連れて行った。時期的にももう“カウントダウン”に入っていたので、まあ一日かけて2~3回アトラクションに乗れたらもっけもん、程度の思いで行ったんだけれど、意外にも思ったほどの混雑でもなく、それぞれの待ち時間は長かったのものの、それでも子供たちはトータル16回も乗り物に乗ることが出来た。中でも娘たちの大のお気に入りだった「ブギウギスペースコースター」には都合6回も乗れて、少しは“お別れ”が出来たのではないか、と思う。

 私は、というと、このテーマパークには新婚当時初めて来場して以来、何度か訪れては遊んだ思い出がある。とはいっても今から16、7年前の古い記憶なんだけれど、あの時家内が一人で乗るのを怖がったんで一緒に付き合ってあげたのが、(当時の)スペースワールドジェットコースターの双璧の一つ「ヴィーナス」に初めて乗るきっかけだったと思う。この「ヴィーナス」というジェットコースターは、一回転もありきりもみもあり、と端から見たら恐ろしいことこの上ないもなんだけれど、実際乗ってみると、見事な構造で殆どストレスなく楽しめるコースターだった。例えるならば「ヴィーナス」が「ムラマサ」のような名刀でばっさり斬られるイメージならば、地元広島東部の遊園地で今年はフリーパスを作ったくらい気に入っているテーマパーク「みろくの里」の「ヒマラヤコースター」はあたかも竹鋸でゴリゴリ首を切られるようなイメージといったら理解してもらえるだろうか?ヾ(--;) 

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 そんな訳で、個人的には家内との思い出も深い「ヴィーナス」に乗るべく、午後から娘たちに頼み込んで、彼女らが「ブギウギスペースコースター」に2人で乗っている間に、一人「ヴィーナス」の列に並ばせて貰うことにした。当初は「70分待ち」の表示だったんだけど、実際には50分弱で搭乗が叶い、あの心地よい乗車気分を味わいつつ、自分の中で“引導”を渡すことが出来た。しかも閉園間際の19時前には「30分待ち」までハードルが下がったんでもう一回チャレンジ。その“ファイナルヴィーナス”では前から2番目左堰に搭乗し、文字通り最後の体験をさせて貰った。自分の身に脳裏に心にこの瞬間・光景を焼き付けながら……

 思えば、今回は当初はここに来る予定ではなかった。すでに12月中旬にこの地に「今日が最後だから」と言い含めて日帰りで来ていて、それが娘たちにとっても「ラストスペースワールド」となるはずだった。しかし、パークからでて帰宅の途につく途中、パーク近隣のイオンによって夕食を購入する際、駐車場から降りて向かいの「スペースワールド」を俯瞰で観た途端、娘の一人が大粒の涙をこぼして嗚咽を漏らしてしまった。それで不憫に思い、思い切ってまた“これが最後”と連れてきたのが今回だった。皮肉にも、それまでは「ヴィーナス」は連日の人気で毎回長蛇の列。残念ながら諦めていたところ、この日に来たおかげで何とか最後に思い出をつくることが出来た。この点は逆に娘たちに感謝したい気持ちだった。

 そうやって娘共々夜の7時半まで粘って、それで帰宅の途についたのだが、やはりこの日もイオンの駐車場から「スペースワールド」を観た途端、娘は泣き出してしまった。実は彼女らは一昨年初めてこの地を訪れ、えらくこのパークを気に入り、安価ということもあって、その年は年間パスまで購入。以後何度となく日帰りでここまで連れてきていた。それ故思い入れが強く、そんな時の閉園騒動だっただけに、気持ちの整理がつかなかったようだ。特に大のお気に入りだった「ブギウギスペースコースター」も今日が乗り納めになってしまったし……。

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 彼女らにとって、この理不尽な閉園はどうしても受け入れがたいことだとは思うけれど、人生においてこんな理不尽な喪失は思いの外多々あるものである。当然いつかは我々親の「喪失」も待っているわけで……苦しいかも知れないけれど、こうやって幾多の「喪失」を受け入れることで人間は成長していくものだと考えるので、今回の辛い経験、辛い現実を受け入れて、また人間として大きくなってくれたら、と願ってしまった。

 それにしても、こんな思い出を我が家族に与えてくれた「スペースワールド」も閉園まで後のこり僅か2日。ファイナルイベントのある大晦日2017年12月31日は、あいにくの(涙)雨の予報らしい……