“鉄腕美女” 遂に遂に降臨!!
「ワンダーウーマン」がスーパーヒロイン界の金字塔であることは世界が認めるところだが、1979年に幕を閉じたリンダ・カーター版『ワンダーウーマン(空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン)(紅い旋風ワンダーウーマン)』以後、37年間に亘って、我々はリンダ・カーター嬢に代わる、新たな“鉄腕美女”に会えないまま、空虚な日々を送ってきた。
その間何度もドラマ化の話や、候補女優の名がマスコミを賑わしたが、実現には至らず。ようやく2011年にエイドリアンヌ・パリッキを起用して実際にパイロット版が撮られ、いよいよこの時が来たかと期待に胸を膨らませた時もあったが、かの「ワンダーウーマン」のトレードマークといっていい"提灯ブルマ"系星条旗ホットパンツを無視したかのような長ズボン着用という拍子抜けしたコスチュームと共に、何故かパイロットフィルムすら発表されないまま、いつの間にか頓挫……「やはりそうか……」とファンを大いに落胆させたものだった。
その後も『トランスフォーマー』のミーガン・フォックスらも候補に挙がる中、突如として「ミスイスラエル」のガル・ガドットなる女優の名が浮上し、そのまま、あれよあれよという間に、彼女が栄えある3代目(初代はプロテニスプレイヤーだったキャシー・リー・クロスビー)ワンダーウーマンの栄光に輝くこととなった。
しかしその再デビュー作は、このヒロインを冠したタイトルではなく、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』という作品。本作には彼女の他、タイトルのようにバットマンとスーパーマンが主演するが、タイトルに名がないのはワンダーウーマンだけ。折角37年ぶりの登場なのに、あんまりじゃござんせんか! てなわけで、3人が並ぶポスターデザインとは裏腹に、彼女が世を忍ぶ仮の姿ダイアナ・プリンスから颯爽とワンダーウーマンに変身して登場するのは、後半のクライマックスから。でもその登場シーンが半端なく格好良かった! 突如空から飛来し、大地に滑り降りる、というか二本の足で大地を抉り刻むような勢いで現れる、その仁王立ちの姿には心底惚れ込んだよ! この作品に関してはまた感想を書こうと思っているけど、その場面に至るまでの今ひとつ煮え切らない悶々とsた展開を一気に払拭してしまうような、あまりにも爽快で力強さ満点の登場シーンだった。またその圧倒的強さはCG技術も相まって、まさにスーパーマンに匹敵するくらいの破壊力だったよ。いやはやこういうヒロインを待っていた!!(;^_^A
まあ、戦闘ヒロインというよりも女性のふくよかなラインを露出度満点のコスチュームで惜しげもなく披露してくれたリンダ・カーター嬢に思いを馳せてしまうと、まさに男勝りの戦闘マシーン然としたガル・ガドットにちょっぴり違和感を覚えてしまうが、ワンダーウーマンの設定に忠実なのは、むしろガル・ガドット嬢の方。「ワンダーウーマン」の物語はこれからが本当のスタート。本作の前日壇で、舞台を第二次大戦下に戻し、彼女の誕生を描いたその名もズバリ『ワンダーウーマン』が今年8月の公開を控えている。ここで彼女はナチスドイツを相手に大いに暴れ回るようであるが、演じるガドット嬢がミスイスラエルということを考えると、タランティーノの『イングロリアス・バスターズ』以上に生々しい“ガチンコ”な物語になっていそうだ。