神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

“CoolJapan”の原点は往年の時代劇にあり!

 昨晩『座頭市逆手斬り』を観た。シリーズ11作目。藤山寛美演じる市の偽物“百太郎”が登場する回だったが、生憎観始めたのは、荒磯の重兵衛(石山健二郎)率いるヤクザの大群相手に、勝新の市が大立ち回りを演じるクライマックスだった。しかし、幸か不幸かストーリー云々はすっ飛ばして、只々座頭市の完全無欠な強さのみを堪能すること出来た(;^_^A

イメージ 3

 全盲の按摩に武装した屈強なヤクザが集団で闘いを挑む、という圧倒的な“ハンディキャップマッチ”にもかかわらず、市の居合いの凄いこと凄いこと! トミー(若山富三郎)版『子連れ狼』のように、血飛沫が切断された四肢か飛び散るようなリアル残酷描写はないものの、並み居る敵を文字度通りバッタバッタと切り捨てる。しかも、敵が用意したいくつものトラッブ(落とし穴、網、縄等々)もモノともせず、仮に引っかかっても即脱出、しかもその過程で「行きがけの駄賃」とばかり、まわりのヤクザたちも網ごと切り捨てる、という無駄のない動き!

 私は常々、こんな所業こそ「クール」だと思ってきた。こと『座頭市』に関しては、地元広島県の福山「みろくの里」のセットで撮った勝新最後の作品といい、北野武監督主演の作品といい、とにかくため息が出るほど強い、強い、強い。しかも相手はどうしようもない非人情の悪党ばかりなので、下手な「闘う者の葛藤」なんてつまらない感情は一切ない。映画という虚構の世界で遠慮なく思いっきり暴れてくれているので。本当にスカッとする。トミーの「拝一刀」もそうだが、これこそ正しい「スカッとJAPAN」であり、「クール・ジャパン」であるあるはずだ(;^_^A そもそも気取ったことして「俺ってクールだろ」なんて宣っても、“スギちゃん”じゃないんだし、世界の物笑いの種になるばかりだ。そんな行為を「クール・ジャパン」だなんて思ってる輩は、顔色一つ変えずニヒルに敵を駆逐する市や拝一刀(飽くまで“トミー”版だよ! 「萬錦」や「北欣」版じゃないからね!)の爪の垢でも煎じて飲みやがれって思うねヾ(ーー )

 こう考えていくと、本当の「クール・ジャパン」って、案外60~70年代の時代劇に遡って検証するべきではないのかな? この時代の時代劇の主人公たちの方がよっぽど“クール”だったと思うよ。『木枯らし紋次郎』もそうだし、同じ“萬錦”だったら断然『破れ傘刀舟悪人狩り』をおすすめするね(;^_^A

イメージ 4

 ところで、この「座頭市」の設定は、ヒロインアクションの世界において、往年のアクションヒロイン(そして「ボンカレー」の人)・松山容子主演による映画・ドラマの『めくらのお市』や、“広島っ娘”綾瀬はるか主演の『ICHI』に引き継がれているが、果たしてこの両作の“いち”は、本家を凌駕するくらいの完全無欠の活躍を魅せてくれているのだろうか……?

イメージ 1

イメージ 2