神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

『フランケンジョーズ』 “自主映画”海を渡る

 『フラケンンシュタイン対地底怪獣』『サンダ対ガイラ』と続く“東宝フランケン”が大好きで「バレンタインよりフランケンシュ“タイン”だ~ッ」なんてうそぶくくらい“フランケン贔屓”の私だけ(;^_^Aに、このタイトルはどうしても見過ごすわけにはいかなかった……題して『フランケンジョーズ』!?(;^_^A

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 原題も『Sharkenstein(シャーケンシュタイン?)』と、邦題同様ベタベタの“駄洒落”の効いたモノで、それだけでも期待が膨らむ。ジャケットも、ビキニの美女と並んでつぎはぎだらけのサメ(おそらくこれが“フランケンジョーズ”)ってビジュアルでなかなかいい。というわけでとても楽しみに観賞したんだけど………

 冒頭から、ストーリーとは無関係の単に「フランケンシュタイン」を紹介する白黒映像が登場し、それでもきちんと墓地から現れるフランケンシュタインの怪物を丁寧に撮っていて、なかなか期待を煽ってくれる。で最初の舞台は戦火渦巻くベルリンの郊外、その付近の近海に浮上するナチのUボート……って、これはもしかして……? 等と考えるまもなく、怪しげな博士と助手が研究を続けていたフランケンシュタインの脳と心臓を、無敵の戦士を作るべくナチの将校が横取りしてUボートに運び去る展開。これってモロ『フラバラ』だろ! って画面に突っ込みを入れたくなったねヾ(ーー ) 「心臓」だけでなく「脳」もってのがいかにも確信犯だ(;^_^A でもナチの下士官たちにはきちんとナチの制服ぐらい着せろよ。台詞だけで(「ヒトラー総統」云々とか)誤魔化すなんて、低予算の自主映画じゃあるまいし……その後くだんのUボートは何故か大西洋を渡ってあろう事かアメリカ近海へ……でプロローグ終了。

 そこからいきなり現代。とある海辺の村で、行方不明事件が起こる。そこで現地の保安官(だと思う)は連日のパトロール。でもそんな彼らをあざ笑うかのように、出ました、お約束のサメの背びれ。しかもそこにも継ぎ接ぎが……で次の瞬間、なんの“ため”もないままフランケンジョーズの全身像がスクリーンに映し出される。普通はもっとサスペンス的な展開にして、もう少し勿体ぶって登場するのがこの手のパニック映画の常なのに………もしかしたら、監督にとって自信作だから早く魅せたかったのかなぁ……低予算の自主映画じゃあるまいし……でもこのフランケンジョーズ君、あまりにもチープ。確かにCG合成なども駆使しているようだが、殆ど立体感がなく、それに妙に愛らしい(;^_^A それできっちり人間を“ごっつぁん”するわけだけど、獲物に飛びついたらいきなり赤いブラッシュと後付のような悲鳴が起こるだけ。この手の映画にありがちな、サメが人間にむしゃぶりつく残酷シーンは出てこない。せいぜい食べられた後、サンダル履きの足のちぎれたのや、食いちぎられた手首(の模型)が申し訳程度に転がっているだけ。つまり極めて低予算の自主映画のような、雑な特撮なのだ。これならもしかしたら市販の編集ソフトでも作れそうな合成や特殊効果。観ていてクラクラしてきたよ(;^_^A

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 物語は、その物騒な町でバカンスをしゃれ込んだバカ三人組が、クルージングを楽しんでいたところ、フランケンジョーズの影響で船が故障してしまい、その物騒な海を泳いで近くの島に助けを求めようとしたら、あろう事かその島こそ、ナチスの残党のマッドサイエンティスト(ヨセフ・メンゲル?……それにしては若過ぎる)が例のフランケンジョーズを作り出して、第三帝国の再興を目論む、というヤバ過ぎる島で、案の定、博士に拉致された三人組は、フランケンジョーズのさらなる改造の手伝いをさせられる羽目に。その改造手術とは、あのフランケンシュタインの「心臓」と「脳」をフランケンジョーズに移植するという狂気の改造だった(ああ、ここで冒頭の伏線と繋がった(;^_^A)。

 改造によってフランケンジョーズはひれを腕(足?)に変貌させ、陸地を暴れ回る文字通り「怪物」と化すが、自らの血によって爆弾の保管された灯台へ誘い込むという保安官の捨て身の行動で、無事フランケンジョーズは爆死を遂げる。安心する三人組の女が湖畔で佇んでいると、何故かいきなり登場したフランケンジョーズに丸呑みされてしまう………?????

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 実はこの(『キャリー』『13金』以後使い古された)ラストが示しているように、この映画にはいろんな映画へのオマージュが溢れている。冒頭のシーンなんて『フラバラ』の完全パクリだし、劇中保安官と三人組の娘がサメ映画談義を繰り広げるシーンもある。更にクルージングする船の船員は何故か『ビック・クラブ・パニック』というマイナーなコマ撮り怪獣特撮映画のTシャツを着ている。そんな事から、この作品、特撮SF好きのアマチュア監督が撮った自主映画じゃないかって思ったね。勿論海中撮影もあるし、同じ自主映画でも私の作品よりは1000倍くらい予算がかかってるだろうけど(;^_^A  でもこんな映画でもきちんと海を渡って日本までたどり着き、曲がりなりにもお金(レンタル料)を稼いでるんだから大したものだ(;^_^A

 でもホント、アメリカ人ってサメ映画が好きだねぇ……ならばいっそ私も“サメ映画”にチャレンジしてみようかね。意外と“海を渡れ”るかもしれないし……(;^_^A  その為にはまず、USJの「ジョーズ」のアトラクション会場で、ジョーズの縫いぐるみ(手を突っ込んで動かすヤツ)を買うところから始めないと……ヾ(ーー )

※ちなみにこの『フランケンジョーズ』を演出したマーク・ポロニア監督はベテランだが、作風はアマチュア未満の能力らしい(;^_^A