神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

これぞまさに“身体を張って”………

 何かの本で、同じ宇宙人を示す英語でも、“ALIEN”はヒューマノイド型の異星人で、メタルナミュータントのように怪物は“BEM”と呼称して使い分ける旨を読んだことがある。それだけにリドリー・スコット監督の『エイリアン(ALIEN)』は衝撃的だった。「あれって“BEM”だよねぇ?!」って思ったもの。とにかく一切の感情を持たない昆虫のような無機質な残虐さと、生物を超えた機械のような冷酷な合理性を兼ね備えたこの超絶なキャラによって、以後“エイリアン”は地球人と交信する血の通ったヒューマノイドから、冷酷無比の殺人マシンの代名詞になってしまった。

 以後「プレデター」との究極なコラボを果たすなど、ある種ダークな大活躍を魅せるエイリアンだが、その記念すべき(?)最初の被害者になったのが、宇宙船ノストロモ号の副長・ケインだ。しかも男でありながらエイリアンを“強制帝王切開”出産させられて命果てる壮絶な運命を背負わされていた。

 この記念すべき(?!)ケイン役を演じたのがジョン・ハート氏。彼はその翌年、生まれながらにして奇形の運命を背負わされながら純粋な心を忘れなかった実在の人物“エレファントマン”ことジョン・メリックを演じている。それも本人に模したであろう強烈な特殊メイクで……

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 その2作品から私は勝手に彼のことを“人体破壊”系俳優と、尊敬の念を持ちながらそう思い続けてきた。勿論それだけどんな役でも真摯に演じる“役者魂”の持ち主といえるわけだけど……でも改めてフィルモグラフィーを観てみると、『Vフォー・エンデタ』にもかのロジャーコーマン御大の(現時点での)最終作『フランケンシュタイン/禁断の時空』にも出演していたことに気付いた。それと“ハリポタ”にも……

 この度の氏の訃報に際し、真摯に演技と向かい合い、時として自分を異形の姿に変えることも厭わなかった彼の“役者魂”に心から敬意を表したいと思う……合掌

ジョン・ハート氏(英俳優)AP通信などによると、ロンドンで27日死去、77歳。死因は不詳。映画「エレファント・マン」などで米アカデミー賞に2度ノミネートされた。2015年、すい臓がんで闘病中だと公表していた。
 1978年「ミッドナイト・エクスプレス」で米アカデミー賞助演男優賞にノミネート。79年「エイリアン」に出演し、80年には実話を基に男性の悲劇を描いた「エレファント・マン」で主演男優賞の候補にもなった。「ハリー・ポッター」ではオリバンダー老人役を務めた。〔共同〕