神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

『資金源強奪』

 先日のブログで紹介した『暴動島根刑務所』の予告編の最後に、赤字に白文字で「資金源強奪」「主演北大路欣也」「監督深作欣二」「撮影快調」のスピードテロップが続くんだけど……何と昭和観というか70年代系東映プログラムピクチャーの香りがして何とも嬉しくなる(;^_^A というわけで、今日はその『資金源強奪』を……

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 昭和50年6月公開といえば、丁度広島の地でカープの初優勝にかけての胎動が聞こえ始めた時期だが、そんな時に『資金源強奪』は世に放たれた。主人公の北大路欣也がムショ仲間の室田日出男と川谷拓三と組んでかつて属していた暴力団・羽田組の賭場を荒らしその資金源を強奪する、という、まさにタイトルにベタな物語である。劇中、北大路の情婦として太地喜和子が登場したり、羽田組の一派が安部徹・天津敏・名和宏・林章太郎といった“常連”だったりと、王道展開は相変わらずで、実にテンポ良く、お約束の物語が進行していく。

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 本作のキーパーソンは、悪徳警官・能代こと梅宮辰夫の活躍で、警察組織に属しながら、内縁の若妻のわがままに振り回された挙げ句、目腐れ銭ほしさに羽田組のいいなりになって北大路らを執拗に追い回すことになる。

 もっとも本作で一番爽快なのは、一時は敵対した北大路と梅宮が最後に大金が目当てで意気投合し、一旦羽田組に奪い返された3億5千万円を事務所に赴いて奪還する場面だ。大阪・通天閣に隣接した羽田組の事務所に単身乗り込んだ北大路は、凄む組員たちを向こうに回し、いけしゃあしゃあと机に散らばった3億5千万円を自分のカバンに入れ始める。その行為に唖然とする組員たちだが、次の瞬間、突如発射された弾丸が組員たちを片っ端かから狙撃する。慌ててみると、通天閣の上には、カービン銃を手にした悪徳警官・梅宮が。彼に脅されて渋々資金源を北大路に奪われる羽田組の面々。このハチャメチャ且つ豪快なシーンは観ていて実に気持ちよかったよ(;^_^A

 その後手にした3億5千万を巡って北大路と梅宮との死闘が繰り広げられるが、梅宮の“敵前逃亡”によって大金を改めて手にした北大路は、伊丹空港からまんまと国外に逃亡する……

 劇中、行きずりで北大路に拉致され、しばらく行動を共にさせられてしまう(しかし北大路の紳士的な対応で暴行には及ばず。しかも一難去った後に「迷惑かけた」とばかりに高級な宝石をプレゼントされる)スッチーが登場し、ラスト、図らずも空港で北大路と再会も、宝石の恩で彼の逃亡を見逃す、という粋なシーンがある。そのスッチー役を務めたのが小泉洋子という女優。彼女が後に芸名を「沢野火子」と改めて出演したのが、かの『恐竜・怪鳥の伝説』である。もっとも本作のクールな雰囲気とは違って、『恐竜~』では実に情熱的な可憐なヒロインを演じていたよ。ただコケティッシュな魅力は両作品とも共通していたけど……(;^_^A

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