神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

想像力の翼を広げて

 昨日のチャンネルNECOでは『恐竜・怪鳥の伝説』と『極底探険船ポーラー・ボーラ』を立て続けに放映する「和製恐竜映画ナイト」が実現。もっと前には『惑星大戦争』のち『宇宙からのメッセージ』という「SW便乗映画ナイト」をやってくれるなど、なかなかこしゃくなチョイスをしてくれるチャンネルだ(;^_^A

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 さて、件の『極底探険船ポーラー・ボーラ』が封切られたときには、「円谷プロが究極のティラノザウルスを描き出した」云々とまことしやかに騒がれたものだが、確かに従来の着ぐるみのフォルムから考えるとかなり頑張った印象は受けるものの、これを観て本物の恐竜と見紛う者はおそらくいないだろう。これはそれ以外の着ぐるみ日本特撮やハリーハウゼン御大に代表されるモデルアニメーション(ダイナメーション)しかり、ミニチュア特撮しかり、と、図らずもどれもそこに観客が“想像力の翼"を広げて初めて成立するイマジネーションの世界であって、これがかつての映画・ドラマの"お約束"として君臨していたといえる(これはある種時代劇も同じ)。

 それが、コンピューターグラフィック(CG)なる新技術が、まだアニメの域を脱していなかった『トロン』から『ジュラシックパーク』に至る過程で飛躍的に進歩し、やがて想像力を超えた"実際もどきの映像"に観客が魅了されることとなる。だがそれは逆に人々から"想像の翼"を奪うことにも繋がってしまった。

 昨今人々の活字離れが危惧されているが、この読書という行為も、文章化された情景を自分の頭の中で映像に変換することによって脳を活性化し、想像力を育む糧になっていたはずだ。それがやはり"映像"というありのままの媒体によって、人々は"想像力を失い始めてしまった。

 かといって、CGを排除することが映画・映像界にとって有益とは思わない。ただ過剰にCGに頼る制作現場を一度見直してほしい、ということ。思えば、金子修介監督による平成ガメラ3部作や『GMK大怪獣総攻撃」辺りは、疑似ドキュメントと「怪獣映画的ケレン味」とのブレンド具合同様、ミニチュアワークとCGとの融合のバランスも最適・最高だったと感じているが、このように、もっと観る者の想像力をかき立てるような、外連味たっぷりの特撮・アクション映画が再び市民権を得ることを心から願う。

 いつか『シン・ゴジラ』の完全無欠の映像ぶりに疲れたファンが、「東宝チャンピオンまつり」の世界にもどっで来るように………。その時こそ「広島発ヒロインアクションムービー」の真の出番だと思っている(;^_^A