『コマンドー』 予定調和のヒーロー
ハリウッド映画の魅力は何といっても「何も考えなくていいスペクタクル」にある……なんてことを以前このブログで書いたことがあるが、そんな意味では“王道”である初期のシュワルツェネッガーのアクション大作のうち、そんな“予定調和度”“勧善懲悪度”が半端ない『コマンドー』を久しぶりに観賞したよ(^^) まるで「茶の間で寝っ転がって観る」ような本作を、本当に茶の間に寝そべって楽しませてもらった(;^_^A
元コマンドーの指揮官だった退役軍人のシュワちゃんが、娘を誘拐されその命と引き替えに某国の大統領暗殺を強要されるという、本作が公開された85年時点でも既に“手垢にまみれた”ストーリーながら、シュワちゃんの力業によって、迫力とお笑い満点の作品に仕上がっている。残虐とブラックなギャグとのブレンド具合も最高で、中でもシュワちゃんが敵側のスケコマシ・サリーを断崖で逆さまにぶら下げるシーンや、クライマックスの裏切り者・ベネットとの死闘の果てに待っている結末などに、その味が効いている(^^)
また、生身で滑走する飛行機から飛び降りたり、デパートの吹き抜けて大暴れしたり、と無敵のボディーで不可能を可能に変えていくシュワちゃんの馬鹿馬鹿しいまでの“力業”にはミヤリとさせられる。サリー追跡のために、半ば拉致されるようにして事件に関わっていくスッチーも、いつの間にかシュワちゃんにホの字になっちゃって、自家用車略奪・大破や飛行艇操縦など都合のいいように使われた挙げ句、ラストには出産に実母を失った主人公の娘の“母親気取り”だったりと、予定調和を絵に描いたような展開も、それはそれでいい(;^_^A
多少シュワちゃんもピンチを迎えたりするが、そんなこと何するものぞ! と悪党をバッサバッサとむごたらしく強引にぶち殺していくカタルシスは、「これは映画なんだ・作り物なんだ」って割り切れば十分堪能できる。まさに「生存者は私たち以外いません」(byシュワちゃん)である(;^_^A
観終わった後は何も残らないけど、ストレス発散にはちょうどいい映画だ。他にも『バトルランナー』『トータルリコール』『イレーサー』辺りで同じテイストを味わうことが出来ると思うよ(^^)