神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

結末は内緒の『ローグ・アサシン』

 ジェット・リーだって“悪役”を演じることはある。ジェイソン・ステイサムだって“悪役”を演じることはある。尤も2人とも基本“善玉”……ぞんな“映画界のお約束”を念頭に置いて観ると、オチがなかなかグッと来る、そんな意外性の強い映画だった。

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 とはいうものの、もう公開されてから8年も経過した作品なんで、今更ネタバレ云々を口にするのも憚られるが、よくできた物語だったと思う。何しろ、普段“正義感の塊”のよう役を演じることの多い二人が、『エクスペンタブルズ』の様に共闘するのではなく、互いに雌雄を決するのだから、当然どちらかは“悪役”でなければならない。しかし………

 かつて伝説の殺し屋・ローグに親友一家を惨殺されその復讐に燃えるFBI捜査官・ジョンは、サンフランシスコを巡る日本ヤクザとチャイニーズマフィアとの抗争の中で、再び整形をして別人と化したローグの影を察知し、その追跡に執念を燃やす、というのが大まかなストーリーだが、最初は全く同情の余地のない冷酷な殺し屋であったはずのローグが、そのふてぶてしさの中に、何やら情のようなものを醸し出したりしたりする辺りから、物語は意外な方向へ進んでいく。ヤクザとマフィアの間を“二重スパイ”のように暗躍するローグに姿には、あたかも『用心棒』の桑畑三十郎を彷彿させたりするが、本当のオチは、もっととんでもなくあり得ない形で、ラスト唐突に訪れる。しかもその“あり得なさ”は、演じるリー・ジェイゾン双方の身に降りかかるので、これには大いに驚いたね。

 日本からは石橋凌ケイン・コスギ(彼はアメリカかな?)が参加しているが、ケインなんかは実に勿体ない役回りだった。彼こそもっと活躍させればよかったのに……とはいってもジェット・リーとの立ち回りが若干あったからそれでよかったかな? 逆に、ヤクザ親分の娘・キラ役を演じたデヴォン青木はかっこよかったよ

 この作品、アクション映画として一筋縄ではいかない驚きに満ちていたが、それも含めて、スカッとするなかなか面白い映画だったな  これなら仕事から帰って夕食の合間に観賞しても十分楽しむことが出来る。いい意味でストレス発散になったよ。