神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

「予定調和」を超えてゆけ!

 過日、CSで『コドモ警察』を観賞した。この作品、その存在を映画館の看板で知った時は、「こんなお馬鹿でバブリーな邦画をどんどん撮って、劇場でバンバン流せばきっと今の日本に元気が甦ってくるぜ!」なんて思わせてくれた作品だった。結局映画館では観賞しなかったけど………
 
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 ところで、この作品、企画そのものの潔いばかばかしさや、往年の刑事ドラマへの徹底したオマージュぶりもさることながら、意外性の演出に実は心惹かれてしまった。こんなの事を書くと「いつもの“予定調和”礼賛はどこへ行った?」と“揶揄されそうだが、この作品の意外性は、決して“アメリカンニューシネマ”のように、ハリウッド的“予定調和”を否定したものではない。むしろ“予定調和”を超えた“はぐらかし”のテクニックに充ち満ちた演出なのである。
 
 たとえば、何の伏線もなく、仲間の窮地に、鈴木福演じるデカ長こと大沼が、西部署の大門よろしくショットガン片手にヘリで登場するシーンや、敵側のレッドヴィーナス幹部・神崎絵里子(北乃きい)が得意の絶頂時に何の前触れもなくいきなり撃ち殺されるシーンなど、もう驚きを超えて笑うしかない、ばかばかしさと遊び心が全開の秀逸な演出といえる。
 
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このシーンのバカバカしさだけで、ご飯が5杯おかわりできそうだ
 
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子役俳優もそれなりに皆いい味出してたよ  それにしても福くん、台詞グダグダすぎ!
 
 従来の“予定調和”を否定した意外性ではなく、“予定調和”の中でドラマを進行させ、それを強引に破綻させて楽しむ、という点で、“予定調和”を飛び越えてさらに先に行くという、まさに計算された“違いのわかる”テクニックだ。本作の福田雄一監督のこの“確信犯”的演出には、心底感激したね
 
 となると、監督の最新作『女子ーズ』にますます目が離せなくなってしまったよ!