『特命探偵☆葛城アキ』ものがたり

『特命探偵☆葛城アキ』　ものがたり

 

 

  　元海上自衛隊三等海尉・伊吹が興した探偵社ＯＳＫ。その設立以来、初めての仕事が舞いこんできた。その内容は、呉市の中小機械製作所の社長・最上勝力の身辺調査。どうもこの会社・最上重工が、憲法違反の国外武器輸出を画策しているらしい。そこで彼は、一緒に除隊したかつての部下（元‘wave’=女性海上自衛官）にして、社唯一の所属探偵・葛城アキに、その捜査を命じた。

 

　「最上に取り入るため」と、伊吹から窮屈な衣装の着用を強要されたアキは、最上の尾行中、その身なりが災いして路上で転倒。しかし逆にそれが幸いして、優しく手をさしのべてきた最上に近づくことに成功する。行きずりの旅行者を装い、最上から密輸の情報を聞き出そうとするアキ。だが、彼の真摯な態度や、かつて呉市に戦前あった海軍工廠に所属していた亡き父の遺言「もう機械を戦の道具にしてはいけない」を忠実に守ろうとする姿に触れるうち、彼女の中に「最上は犯人ではないのでは」との思いが募るのであった。

 

　折も折、伊吹が依頼者の最上重工専務・生駒千歳から、早く最上の“クロ”の証拠を掴むよう恫喝されたり、最上自身もまた、アキとの再デート中、突如誘拐の危機に晒されるなど、謎は大いに深まっていく。本当に最上は密輸に関与しているのか？　それとも、思いがけない真犯人が存在するのか………？

 

　愛すべき呉の街を舞台にした不埒な悪行に、特命探偵☆葛城アキの正義の鉄槌が、今下される！！！