神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

異国の丘

 これはちょっとだけ、『特命探偵☆葛城アキ』に関わる、監督の私的なエピソードです。
 
 『特命探偵☆葛城アキ』には劇中、 事件の鍵を握る準主人公として、呉の中小機械製作所社長・最上勝力なる人物が登場するが、彼の亡き父は、嘗てこの呉の地に戦前あった“海軍工廠”の職員であり、就業中は戦艦大和の46センチ主砲へ弾丸を運ぶエレベーターの設計に従事し、やがて中国へ出兵、その後シベリアに4年間抑留された、という過去を持っている。そんな父の影響から件の最上は呉で機械製作所を興す、という設定になっている(そこら辺りは、劇中彼の台詞によって表現されている)。

 そんな最上社長の亡き父のモデルになったのが、かれこれ四半世紀以上前に年に亡くなった私の実の父である。“大和の主砲のエレベーター”もシベリア抑留も実際の話。“最上社長”の名字も、父が海軍工廠時代、重巡「最上」の処女航海に乗艦した、という武勇伝が根柢にある。

 そんな親父が、4年間のシベリア時代を語った話を今でも思い出す。終戦後、軍用列車に乗せられて、祖国・日本に帰られると思った矢先、仲間が月や太陽の位置を確認して、今列車は日本とは反対方向に向かっていることを知り落胆したこと、極寒で糞尿は一瞬にして凍ってしまうのでツルハシで砕いていたこと、最初の1年半は仲間の死体を埋めるため、ツンドラを掘り続けたこと、ようやく復員船で日本に帰ったときにはすっかり共産思想が染みついていて、舞鶴(「岸壁の母」が息子を待ち続けた場所)の駅で、みんなで“インターナショナル”を歌ったところ、迎えに来た姉から「もう今の日本ではそんなことしちゃいけない」とたしなめられたこと等々。そんなこともあって「異国の丘」は愛唱歌だった。
 


 そんなわけで、今回の作品も極めてパーソナルなスタンスで作っているわけだhttp://img.mixi.net/img/emoji/59.gif

 ちなみに“私の分身”の如き、件の最上役を務める“劇団春一番”の青木さんは、奇しくも私と同級生だった。これも奇跡のなせる技かhttp://img.mixi.net/img/emoji/61.gif
 
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広島発ヒロインアクションの夕べⅢ
特命探偵☆葛城アキ〜郷土の怒りをぶちまけろ~上映会

日時: 2013年4月20日(土) 19:00公開(18:30〜開場)
場所: 広島市西区民文化センター スタジオ (〒733-0013 広島市西区横川新町6番1号)
料金: 当日1,000円 (前売800円)
後援: 財団法人 広島市未来都市創造財団