神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

“白川由美”と液体人間

 1958年公開のの東宝特撮映画『美女と液体人間』。その後『電送人間』『ガス人間第一号』『マタンゴ』と続く“東宝特撮普通サイズの怪人シリーズ”の第一弾として公開された作品だ。ビキニ沖の水爆実験の放射能を浴びた漁船員が液化する、という何とも当時の世相を反映した作品だったが、他のシリーズと異なり『美女と~』のくだりが、あたかも新東宝大蔵貢)のタイトルを彷彿させるいかがわしさで、怪奇SFと社会派、そして猥雑さがごった煮となった、何とも不思議な映画だった。
 
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 ところで、件の『美女~』が指しているのは、明らかに主演のキャバレー歌手・新井千加子を演じた白川由美に他ならないだろう(他にも、哀れ液体人間の餌食となったエミーこと“園田あゆみ”という説も)。この白川由美という女優は、本作の他にも『空の大怪獣ラドン』(1956年)のキヨを皮切りに、『地球防衛軍』(1957年)の“初代”白石江津子や、『電送人間』(1960年)の中条明子、『世界大戦争』(1961年)の江原早苗、『妖星ゴラス』(1962年)の園田智子、そして『奇巌城の冒険』(1966年)のイザート王妃と、特撮映画に出まくった、まさに“東宝特撮ヒロイン”のエース格ともいえる大女優である。もっとも、初主演を務めた『ラドン』では“キツネ目の垢抜けない女優”だったし、その後の作品もほとんどが、メインの女優(河内桃子、星由里子・水野久美など)の共演といった位置を余儀なくされて、今ひとつ印象に残る活躍がなかった。それだけに、この『美女と液体人間』における新井千加子役は鮮烈で、そのスレンダーな容姿からは想像できない、何とも肉感的な妖艶さを醸し出していた。彼女にとっては本作が一番輝いていたのではないかな
 
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 だから本作は是非『白川由美と液体人間』であってほしい、それが一番ふさわしい、と思った次第
 
 ちなみに、彼女の夫は、“ダンプガイ”の愛称で“日活アクション・後期ダイヤモンドライン”の一翼を担い、その後テレビ界で『マイティジャック』の当隊長や『“特撮”最前線』の神代警視正を演じた二谷英明であることは衆知の事実だが、まさに“娯楽映画における奇跡の最強カップル”といっていい素晴らしいエピソードだ
 
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 その点、娘の二谷友里恵は“娯楽映画のサラブレット”と言える存在だが……ドラマでなくバラエティー(スキャンダル)で名を馳せたらいかんだろうが……!(現在は実業家らしい):
 
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