電人ザボーガー、遂に“GO”!
このドラマの素晴らしさは、何と云っても主演・大門豊を務めた山口豪氏の過剰なまでの演技につきる。とにかく何時でも目を見開いて、額の血管が破裂してしまうのではないかと思うくらいの、過剰なまでの気合いが入りすぎた台詞回しを、ほぼメリハリなく全編続けるパワフルな演技! この素晴らしさは、演技の中身に関しては対極ともいえる「快傑ズバット」の早川健こと宮内洋氏に匹敵する。まさに70年代特撮ヒーローの代表とっても過言ではないほどの演技だと思ったね。

件の山口氏は惜しくも病で早逝されてしまい、残念な限りだ(もし健在ならば、リメイク版にも何らかの形で出演していたと思う)。
その「電人ザボーガー」が板尾創路主演でまさかのリメイク映画化となった。このニュースを知ったときには、我が目を疑ったが、その後きちんとスチールも公開され、予告編も流れ、「電人ザボーガー」リメイクは既成の事実となっていった。そしていよいよ今日15日、封切りの運びとなった。

このリメイクに際して一番の不安は、果たしてこの特撮ドラマの最大のウリであった、山口豪氏の過剰すぎる演技を、きちんと継承できるか、であった。確かに(渡辺裕之は当然として 笑)、柄本明、竹中直人といった重鎮をキャストに連ねたことで、その“本気度”は伺えるが、ウケを狙ったとはいえ、板尾創路がナレーションを務めるバージョンのCFは、別の意味でちょっと“おちゃらけてる感”があり、一抹の不安が残る(だって、山口版「大門豊」は大真面目に演じているからこど、独特の面白さがあったんだもの……)。
もっとも、あのダサダサの大門豊コスチュームや悪ノ宮博士の容姿を始め、車と合体した怪人やザボーガーの演技、果てはストロングザボーガーの登場に至るまで、見事なまでに当時の番組を再現しているところに、井口監督の“特撮愛”が感じられてうれしい(ただ、舞台挨拶であのたるみきった肢体をさらす姿だけはいただけなかったな 笑)
そんな中で、どうして“ミスボーグ”だけは変な新解釈の容姿にしてしまったのだろう? 演じる山崎真実嬢も、「ペルソナ」辺りから“こっち側”の女優になったと思っていた贔屓にしていただけに、残念な話である。かつて藤山律子嬢が演じたときのような、これまたダサダサな銀の全身タイツで演じてほしかった。
というわけで、当ブログの趣旨的には、やはりミスボーグの姿を掲載せねばなるまい(笑)
