神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

「雑魚キャラたちのララバイ」

 先日も書いた『北斗の拳』。本作を下支えている存在こそ「雑魚キャラ」である(;^_^A

 

 

 初放映当時は、っていうか原作が週刊少年ジャンプに連載されていた頃は、確か「雑魚キャラ」なんて言葉はまだ存在していなかったはずだ。要は、悪党の配下(『仮面ライダー』でいうところの“戦闘員”)で、ボスとケンシロウの対決の前に、「露払い」よろしく、ケンシロウやトキ、南斗のシューといったキャラクターに虫けらのように殺されていく“咬ませ犬”キャラである。

 

 彼らは理不尽にも、「問答無用」とばかりに、ある者は内部破壊し(北斗神拳)、ある者は『バイオハザード』のレーザー光線よろしく、細切れに切り刻まれ(南斗聖拳)、文字通り絶命する。中には、それまでわかりやすい悪行三昧を繰り広げて、その報いとして“成敗”される者もいるが、その他大勢は、単に悪党の側に就いたという理由だけで、ろくにセリフも与えられず、出た瞬間無残に殺されてしまう。まざに「問答無用」の“咬ませ犬”だ。

 

 面白いもので、映画ドラマアニメといった“架空の世界観”では、残虐な死とギャグが背中合わせに絡んでくるケースが多い。この『北斗の拳』における雑魚キャラ殺害シーンも、これがあくまでフィクションであり、作られた典型的な悪党(それこそ死んでもいいくらい)の設定だから許されるというもんだ。

 

「あ、また新記録だ~(^^)」

 

グチャ~!!

 

グチャグチャグチャ~!!!!

 

ボヨ~ン!!!!!

 

 仲間がケンシロウにやられる様を、他人事のように暢気に傍観していたため、ボスキャラの制裁を受ける、このカットのみ登場する雑魚キャラ。そのへしゃげた頭部はグロテスス且つ滑稽だが、これってハンマーで殴られたのと同じで、確実に即死だよね(;^_^A 

 

 『北斗の拳:』の魅力が、このバーチャルな世界における“勧善懲悪”と”人体破壊”である「以上、いちいちボスを相手に戦うわけにはいかないから、彼ら雑魚キャラはなくてはならない存在だ。もっとも、「仮想現実」とはいえ、彼らもその母親が腹を痛めて生んだ子に違いない。何の因果で、極悪非道な輩に身を挺したか知らないが、そんな「人の子」が、虫けら以下の扱いを受けて文字通り“捻りつぶされる”様を観るにつけ、爽快感とは裏腹に、彼らのためにレクイエムを心の中で口ずさまずにはいられない………なんてね(;^_^A