神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

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トンガ噴火が引き起こす『日本沈没第二部』の懸念

 去る15日、突如噴火したトンガ沖の海底火山。その直後は津波に関する懸念が太平洋上の各国、とりわけ11年前の東日本大震災で未曾有の津波禍に苛まれた日本の太平洋側各都市に広がったが、幸い「災害」と呼べる規模の津波が押し寄せることもなかった。

 ただ、それとは別に、爆発的噴火によって大気中に広がった大量の火山灰が新たな災厄を全地球規模に与える懸念が心配される。

 

 実は今回、噴火の模様を告げる衛星高度からの画像を見た際、1973年版の映画『日本沈没』で衛星高度から見下ろす日本列島の姿が映し出されたことを思い出した。しかし、この噴火にどこかの島(もしくは国レベル)の地盤沈下・沈没を懸念したわけではない。本作原作の続編である『日本沈没第二部』と同じシチュエーションになってしまう懸念である。

 

 

 

 

 

 もともと『日本沈没』は、原作者たる小松左京氏によれば、『日本漂流』という「日本人が国土を失い流浪の民化したらどうなるか」を描く壮大な物語の、その前提を描く序章にすぎないはずだった。しかしその“序章”に9年も費やしてしまった結果、その続きは氏が晩年になって、谷甲州氏との共著という形で33年もの時を経てようやく発表されることになった。もちろん既に日本列島が海中に没したあとの後日談なんで、地震も噴火も登場しない。そこで描かれるのは、地球規模の急激な気象変動だ。

 

 

 日本が沈没する段階で起こった列島各地での大噴火によって、おびただしい量の火山灰が成層圏にまで影響を及ぼし、太陽光線が長く遮られる結果、地球寒冷化が引き起こされる。そのため地球規模で凶作による飢饉を引き起こす、というのが『第二部』のテーマだった。現実問題、過去の火山の大噴火が火山灰が太陽光を遮った結果、飢饉を引き起こしたケースは多々ある。恐竜絶滅の仮説の一つに、地球に衝突した隕石が巻き上げた塵が地球を覆い、その寒冷化が引き金となったというものもあるくらいだ。現在地球環境の温暖化ばかり注目されているが、このように、地球が温暖化するのも寒冷化するのも、所詮地球の気まぐれに過ぎないわけだ(大噴火によって吹き出される膨大な二酸化炭素地球温暖化をさらに助長する、という説もある)。


 どうやら同じ事を考える人は世界中にいっぱいいるようで、以下のような記事も発見した。

 

 寒冷化だろうが温暖化だろうが、人類のみならず地球生物の生存環境に限りない負荷を与えてしまう。今回の大噴火が温暖化・寒冷化どちらの“引き鉄”にもなり得る可能性を秘めている以上、我々地球上生物は地球の”気まぐれ”に右往左往するしか術はないし、それが地球の“意志”ならば、あらがうことも出来ないであろう。ただ出来るとしたら、そんな気まぐれな地球を怒らせないように、自然と共生できる、せめて地球にとっての“癌”から“良性腫瘍”ぐらいにはなれるよう、努力するしかないんじゃないかな。