神宮寺真琴のつぶやき~TBossのブログ~

ヒロインアクションの考察から、インディーズムービー・劇場映画の話題まで

激アツ!『アンストッパブル』~ハッピーエンドなる「プロジェクトX」~

 先日、CSのWOWOWプラスで『アンストッパブル』を再観賞。それというのも、今から7年前に、その感想をブログにしたためたことがあったからだ。

 

 しかし当時は、途中からの観賞で、全貌はネットの情報頼りだったけど、今回は放映の情報を掴んで録画し、フルで観賞できたんで、改めて初見当時のレビューにいくつかの“思い込み”があったことに気づいた。

 

 本作は2001年に実際に起きた列車暴走事件を、ある種忠実に再現した映画だった。機関士の初歩的なミスで機関車が暴走する点も、溶融フェノールという毒性の高い揮発性の液体を大量に積載していた点も、人口密集地に急激なカーブがあり、そこに高速で突っ込んだら大惨事になる点も、力行しているのにも関わらず低速で走行していると勘違いして、引き込み線に誘導するのをミスした点も、本当に別の機関車を追走させて暴走列車との連結による減速低停車を試みた点も、更には主人公の機関士が追走中に家族に「愛している」と連絡を送った点まで、現実の忠実な再現だったようだ。まさにハリウッド版「プロジェクトX」といっても過言ではないくらいの内容である。

 

 

 それにしても、中盤以降の手に汗握る展開と言ったらなかったね! 今回も録画後2回連続して観賞して、その都度前のめりになって観たもの。そこにはニュース報道を多用した現実感や、それゆえ主人公たちの決死の行動が、テレビカメラを通じて常に報道され人々に周知される点なども影響しいているかもしれない。とにかく臨場感にあふれていて、観ている我々も劇中テレビの前で釘付けになっている聴衆と一緒になって一連の出来事を固唾をのんで見守っているような錯覚すら覚えた。まさにこれもまた映画世界に溶け込んでいくような「バーチャルリアリティ」感覚といえるかもしれない。

 

 主人公2人、機関誌フランク(デンゼル・ワシントン)・車掌ウィル(クリス・パイン)の超人的な活躍で事件(事故)が解決した後、きちんと彼らの功績が認められて終わる爽快感や、上司と対立してまで彼らを常に後方支援し続けた“漢気溢れる”(といっても女性の)操車場長コニー(何と『デスプルーフ』のロザリオ・ドーソン!!)が出世し、会社の利益を優先して悉くフランクらやコニーの努力を踏みにじりつけたカルビン運行部長が逆に解雇されるという、絵にかいたような「勧善懲悪」ぶりには、本当にスカッとさせられる。

 

 「プロジェクトX」といえば、『黒部の太陽』『栄光への5000キロ』『富士山頂』といった一連の石原プロ作品が「映画版『プロジェクトX』」の様相を呈していたけれど、もっと現在の邦画の世界でも、こういう成功の物語を、是非もっともっと映画化してほしい。もちろんその際のキーワードは「ハッピーエンド」だ!(;^_^A