ハリウッド発「リーグ」戦!
過日、CSでほぼ同時間帯に『メジャーリーグ』と『ジャスティスリーグ』が放映されていた。片やスポーツ(ベースボール)連盟、片や正義同盟と、それぞれ意味は違えど、この二作品の「同時放映」は何とも興味深かった。勿論内容も。
『メジャーリーグ』低迷する球団が奇跡の快進撃を続け、リーグ優勝を遂げるまでを描いたもの。その球団が、実在するクリーブランド・インディアンズで、他にもヤンキース・オリオールズ・ブルージェイスといった実際のアメリカンリーグの球団も、オリジナルのデザインのユニフォームに身を綴んだ姿で劇中登場する。何ともアメリカ映画界および野球界の懐の深さを感じさせる。日本に例えるならば、讀賣以外の球団を主人公にしているようなものだから、恐れ入る。それこそ日本的感覚ならば、主人公はヤンキース以外ありえなかっただろう。また低迷する弱小球団として登場するのにインディアンズのフロントがよくGOサインを出したものだ。
日本のプロ野球映画といえば、実在した選手の伝記的作品か、『野球狂の唄』や『アストロ球団』といった荒唐無稽なものしか撮られていない。『野球狂の唄』に関しては、架空のセントラルの球団設定なのに、協力はパシフィックの南海ホークスってのも妙な話だ。
それにしても、もっとリアルなNPBの世界を構築したうえで、夢のある物語が出来たらな、なんて思う。まだ広島カープがあの3連覇もなくただ低迷し続ける球団だったならば、例えばとある野球しらずの青年に“炎のストッパー”津田恒美の魂が憑依し、あの剛速球を投げる投手と化して、いきなり入団テストにパスして広島球団の一員となり、チームを悲願の優勝に導く、なんて映画・ドラマを撮ってほしいと願ったものだった(;^_^A
一方『ジャスティスリーグ』が“DCコミック版『アベンジャーズ』”といった面持ちの映画だ。DCコミックヒロインの金字塔・ワンダーウーマン(ガル・ガドット版)が主演する映画は『ワンダーウーマン』と『~1984』の二本だけだが、ワンダーウーマンの登場する映画は更に2本、本作と『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』がある。もっとも『ジャスティスの誕生』の方では、“顔見世”程度の登場に過ぎなかったが、本作ではのっけから大活躍をしてくれる。そしてリーダー的役割を果たしている。
思えば、『ワンダーウーマン』といい『キャプテンマーベル』といい、ハイウッドのスーパーヒロインは、とにかくとてつもなく強い。それも男たちをはるかに凌駕する存在として。「か弱い女性」なんて雰囲気を一切出さない、完全無欠の超人ぶりを発揮している。GIGAやZEN辺りのヒロピンドラマでは、あの露出度の高いコスチュームのまま、延々エゲツなく責められ続けるが、オリジナルは、悪党に指一本触れさせない破壊力とパワー、そして気品に満ち溢れている。でも本来、女性を戦うスーパーヒロインとして登場させる以上、その完全無欠ぶりは、必須条件だと思っている。
いずれにしても、かくのごとく、2本の「リーグ」は実に血沸き肉躍る、上質のエンターティメント作品だったよ(^^)